広がりがほしかったら英語だし、フランス語は濁音が多いんでリズムっぽいのが合うし、日本語はエモーショナルなものや、逆にやわらかいイメージにも合う。
―3つの言語が混ざった歌詞っていうのにはやっぱりすごくこだわったの?
Ray:こだわりましたね。3人になったんだから、3人とも対等に意見を出し合おうと思ったんですよ。これまでは俺が1人で歌詞を書いてたんですけど、これからは曲だけじゃなくて歌詞も3人でやってみようと。(Gusは)フランス語が上手いんだし、(KenTは)なんか面白いこと言い始めるんで、それを合わせてみたら案外上手くいって。曲も歌詞も3人でやったらおのずとバンドに一体感も出たし。
―2人は作詞してみてどうだった?
Gus:めちゃめちゃ面白いと思いました。多分3人で考えてるから楽しいっていうのもあったと思うけど…。
Ray:そうだよ、1人書いてるとひたすら辛い(笑)。第1稿目は自分の言葉だったり、書きたいことがあるんでスラスラ行くんですよ。でも1回出して、「ここがなあ…」って言われちゃうともう、「えー、そこが好きなんだけど」って意地になってくる(笑)。でも3人だと第一稿の時点で3人の意見が混ざってるんで、バランスが取れてるというか。
―KenTくんはどうだった?
KenT
KenT:やっぱ歌詞もやってその上で曲ができると達成感が違いますね。でも、しんどいのもわかりました(笑)。
Ray:でも、この2曲はそこまで歌詞しんどくなかったよね?
KenT:君からしたら多分そうなんだろうけど…。
―(笑)
Ray:でもホントに上手くいきましたね。“Criez”の歌詞をフランス語と英語にしたっていうのも、歌を楽器として聴かせたかったっていうか、ノリとして聴いてほしかったんです。意味なんてわかんなくても感じられるものってあるじゃないですか? ビートがずっと4つ打ちでドッドッドッって鳴ってたら、誰だってリズムを感じられるはずだし。逆にカップリングでは、言葉の意味をちゃんと伝えたいところは日本語にしたりして、言語によってキャラクターが違うんですよね。
―なるほど、ただ3つの言語が使われてるだけじゃなくて、ちゃんとその言語のキャラクターに合った使い方をしてるわけだ。
Ray:そうですね。広がりがほしかったら英語のほうが乗りやすいし、フランス語は濁音が多いんでリズムっぽいのが合うとか、日本語はエモーショナルなものだったり、逆にやわらかいイメージにも合うとか。最初は狙ってなかったんですけど、途中から「あ、こういう風になるんだ」って新たなに発見していったし、これは俺らだからできることなんだなって思いました。
国籍にこだわるんじゃなくて、「俺ら人間なんです」ってぐらいの立ち位置でいきたくって。
―では、非常に印象的なビジュアルについても教えてください。どういう経緯で作られていったんですか?
Ray:3人になって、どういう風に見せるのが一番いいかなって考えてたんですよね。この3人は顔もキャラクターも相当濃いんで(笑)、それに負けないアートワークって考えてたときに、ちょうど(小島)穣二さんの作品を見て、「この人に頼んだら面白いんじゃない?」って。年も近いって聞いてたんで。
―そうなんだよね。DUSTZもそうだし、デザイン関係の人もみんな20代前半から中盤なんだよね。
Ray:そうなんですよ。それでレコード会社の方から連絡を取ってもらったんですけど、DUSTZのことを面白いって言って戴けて、逆にびっくりしてうれしくて(笑)。三位一体っていう言葉のイメージで、3人の顔がマスクでくっついてるって面白いねって話になって。
―実際に仕上がったマスクを見てどう思いましたか?
Ray:感動しましたね。「どうやって被るの?」とも思いましたけど(笑)。こういうビジュアル的なものって、色使いとか形とか質感とか、すごく感性が出るじゃないですか? そういう意味でもすごく信用のおける方だったんで、光栄ですね。
―国を超えて活躍してるっていうのもDUSTZのイメージに合うもんね。
Ray:無国籍感は意識してたんですよね。僕らは「フランス人ハーフ」って言われてますけど、フランスって移民が集まってる国なんですよ。純粋フランスと純粋日本のハーフは俺ぐらいだし、そもそもそういう国籍にこだわるんじゃなくて、「俺ら人間なんです」ってぐらいの立ち位置でいきたくって。あのマスクは、そういうところも反映してくれたんじゃないかなって。
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