他の人に出せないものを作るしか表現者として生きる道はないんだろうなって。
―3人全員がハーフっていうのはやっぱりDUSTZの特徴のひとつで、フランス語と英語と日本語が混ざった今回の曲っていうのはそれをすごく活かしてると思うんだけど、逆にハーフだからこそ苦労する部分っていうのもあるんですか?
Ray:日本人でもありフランス人でもあるっていうのは、逆に言うとどっちも故郷じゃないし、どっちからも外人に見られるんですよ。特に日本は鎖国的で、俺らが何を言っても「いや、お前ら(俺たちとは)違うじゃん」とか、「お前らそんなに苦労してないだろ?」っていう風に取られることもあって。だから、それに対してはずっと挑戦し続けてきたつもりです。それにロックって、マイナスをプラスに変える力があるじゃないですか。マイナスのものを吐き出して、それが相手のマイナスと融合してプラスになる音楽だと思うんですよ。
―うん、そういう側面はあるよね。
Ray:そういう意味でも、去年の春にドラム(日本人)が脱退したんですけど、それでハーフ3人組になって、逆に割り切れた部分があるんです。ハーフである俺らの強みやオリジナリティを出そう、周りから何を言われようが関係ないって思えて。あとこれは個人的なことですけど、音楽以上に役者仕事には「ハーフ」っていうのがすごく影響するんです。だって、日本人の役は日本人がやったほうがいいじゃないですか?
―確かにそうだね。それに関しては、どう考えを切り替えたの?
Ray:切り替えるっていうか、自分の価値を上げるしかないんです。だからどんどん色んなものを吸収して、他の人に出せないものを作るしか表現者として生きる道はないんだろうなって。前例があんまりないんで。
―フランス語と英語の曲がシングルっていうのは、確かに前例がないだろうからね。
Ray:それはもう、それを出してくれるうちのレコード会社もすごいと思うんですけど(笑)、すごく作り手にとって勇気にもなってて、ありがたいですね。
「ハイ、僕らDUSTZです」っていうよりは、「俺らがDUSTZだコラ!」っていうぐらいの(笑)
―メンバーが抜けたことに関しては、どういう経緯だったの?
Ray:ミュージシャンとして紹介されたんですけど、彼も役者だったんですよね。「役者やってて、音楽もそんな好きなんだ? じゃあ、同じ気持ちだから、一緒にやろうよ」って感じで始まったんですけど、役者同士が同じバンドにいると、スケジュールが合わなかったり(笑)。でも彼からは色んなものを学んだし、バンドとしてのことを沢山教えてもらいました。
―リーダーであり、プロデューサー的なポジションでもあったんだよね?
Ray:ぼくら3人は幼なじみなんで、外部の人を入れて、その人にリーダーをやってもらうっていうのはすごい意味があったと思ってて。まったく違う考え方が入ったときに、俺ら3人の中ではオッケーとされてることがそうじゃなかったり、いろんなことが見えてきたんです。だけど、色んなことが重なって動けないっていう状態だったんですよね。それでフラストレーションもたまって、今回この形で3人になって、爆発して叫び出したってことですよね(笑)
―じゃあ、ホントに新たな始まりのシングルって感じだね。
Ray:そうですね。元々この3人が核だったんで、戻ったと言えば戻ったんですけど、ただ戻っただけじゃなくて、これまで関わってくれた人たちが教えてくれたことを携えた上での戻りなので、まったく新しいものができるんじゃないかって。
―今の心境としてはフレッシュな気持ち?
Ray:というよりは勢いでいった感じというか、「ハイ、僕らDUSTZです」っていうよりは、「俺らがDUSTZだコラ!」っていうぐらい(笑)、突っ込んだ感がありますね。シングルを出すのも久しぶりなのに、1曲目からフランス語と英語が混じった歌詞じゃないですか? 完全にファンには媚びてないんで(笑)
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