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ご自分の起業経験を書いた『空飛ぶ母子企業』は女性ヒューマンドキュメンタリー大賞を受賞 |
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東北で活躍するおばあちゃんたちの生き方を描いた『東北婆っぱ烈伝』 |
自分もUターンで起業したから、女性経営者の苦労がわかる
福島県女性経営者プラザが発足したのは、8年前のこと。福島県中小企業団体中央会から、女性経営者のための異業種交流会の提案があり、それが前身となり結成されました。三田公美子さんは2代目の会長です。ご自身は郡山市内でフリーペーパー『ザ・ウィークリー』などを発刊している広告代理店を経営。また第9回女性ヒューマンドキュメンタリー大賞を受賞した『空飛ぶ母子企業』や『東北婆っぱ烈伝』(共著)などの著者でもあり、方言や民話といった福島県の伝承文化を保存するためのNPOなど、とてもパワフルに活動されています。「東京からUターンして故郷で起業し、自分のビジネスは成功するはずだと信じてはいましたが、経営についてのノウハウもありませんでしたから、軌道に乗るまでは山あり谷ありでした。そこで自分がした経験を、次につなげていけたらという思いで、任ではありませんが会長職を引き受けました」と。
女性経営者が自己研鑽しあい、情報交換やサポートをする場に
福島県女性経営者プラザの現在の会員数は48名で、総務、事業、交流の3部会を作って活動しています。この会の目的は、女性経営者がそれぞれに成長していくための自己研鑽の場となることと、これからの女性経営者のサポートを行うことを活動の中心にしています。「中央会の支援はありますが、男性の視点では、女性経営者の苦労がわからないというところもあります。だから公開講座などの企画では、女性にとって本当に必要な情報やノウハウを提供してくれる人とテーマを選択するようにしています」と三田さん。具体的には、毎年、経営を学ぶ集中講座や、全国で成功している女性起業家を招いての講演会などを実施しています。たとえば昨年の集中講座では、経営理念(志)、営業(仕事を作る)、組織(組織作り、動かし方)、資金(キャッシュフロー)の4つのポイントについて行いました。これから起業を目指そうという30代の女性参加者に特に好評でした。
福島県を拠点に頑張ってくれる女性起業家を育てたい
「融資を受けるにしても、みなさん苦労していらっしゃる、これから福島をベースに頑張っていこうという女性起業家に、同じ苦労をさせないですむような環境を作っていけたらと思っています」と三田さんはいいます。「福島県女性経営者プラザそのものが、融資や資金提供ができるような会になっていきたい。たとえば事業を公募して、すばらしい事業プランがあれば、経営者プラザが資金を提供するというようなことです。100万円とかではなく、じっくりと腰を据えて経営に当たれる位の金額が提供できるようになるのが理想です。そのために今年は事業委員会の活動を充実し、まず資金をためなければ・・・」。 こうした三田さんの考えは、福島全体を元気にしていきたいという思いからのものです。「福島には、東京や大阪のようなビジネスの大きなフィールドはありません。でも福島だからこそできるビジネスもあるし、福島発のビジネスモデルもあってもいいはずです」
福島県男女共生センターの女性起業家養成講座にも協力
福島県女性経営者プラザは、経営者団体だけでなく、福島県での起業を多角的に推進していくために、さまざまな行政機関との連携もはかっています。そのひとつが福島県男女共生センターで行われている「女性起業家養成講座」への協力です。ここでは、講師の紹介はもちろん、三田さん自身も講師をつとめています。 「地域の実情を理解している、また女性の視点がわかっている講師でないと、せっかく講座を開いても、かえって起業意欲を失わせてしまうこともあるので、女性経営者の目でこの人ならという人を紹介しているのです。これをきっかけに1人でも多くの人が起業にチャレンジして、福島をもっともっと元気にしていく仲間になって欲しいと思っています」。
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