東京電力は12日、福島第1原発1、2号機付近の地下水から、放射性ストロンチウムを検出したと発表した。取水口付近の海水からも、最高で法令の濃度限度の240倍が検出された。いずれも今回の事故の影響と考えられるとしている。
ストロンチウムは第1原発の放水口付近や沖合などで、濃度限度以下が検出されたことはあったが、地下水からは初めて。事故で放出され土壌中にあったものが、雨水などで流れ込んだとみられる。
東電によると、地下水は5月18日に採取したもので、半減期約29年のストロンチウム90が1立方センチ当たり6.3~0.022ベクレル、同約50日のストロンチウム89が同19~0.078ベクレルだった。同じサンプルから放射性ヨウ素131やセシウム134、137も検出された。
一方、海水は5月16日に1~4号機の取水口付近と、放射性物質の拡散防止のため2、3号機の取水口近くに設置した「シルトフェンス」内側の計3カ所で採取した。
ストロンチウム90が濃度限度の53~240倍、同89が26~80倍で、経済産業省原子力安全・保安院は「魚介類への影響を注意深く調べる必要がある」としている。
〔共同〕
東京電力、ストロンチウム、福島原発
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