ここから本文です
最終更新:2011年6月15日(水) 19時58分

被ばく限度超の作業員、他にも多数か

動画を他のプレイヤーで見る


 福島第一原発の事故では、これまでに東京電力の社員8人が被ばく限度の250ミリシーベルトを超えたことが明らかになっています。しかし、事故直後に線量計が大幅に不足するなど被曝線量の管理がずさんだったため、被曝限度を超えた作業員が他にも数多くいるおそれがあることがJNNの取材で明らかになりました。

 これまでに明らかになっている被ばく限度を超えた作業員は、東京電力の社員8人。最も多い被ばく線量は、限度の2倍以上の678ミリシーベルトです。この値について・・・。

 「全然びっくりしませんね。たぶん低い方の人じゃないかと思う」(協力企業の男性)

 こう話すのは、福島第一原発で部下とともに復旧作業にあたる協力企業の男性です。

 「今、線量が管理されているのはAPD(線量計)を持った時点から管理されているだけで、 (線量計を)持っていない時期のカウントはしていませんから。本音を言えば実際にいくら(放射線を) 食ったかは分からない」(協力企業の男性)

 作業員が最も多く被ばくしたのは、爆発や火災が相!$$$@;v8ND>8e$+$i#37nKv$4$m!#$=$N:"!"8=>l$G$OBg$-$JLdBj$,5/$-$F$$$^$7$?!#

 「地震や津波によって(線量計が) 若干足りなくなったのは事実。もともと5000台近くあったものが、320台になってしまった」(東京電力の会見、3月31日)

 不足したのは、放射線を測る「線量計」。これまで東京電力は、3月中は作業にあたるグループごとに1台の線量計を携帯していたと説明していました。しかし・・・。

(Q.グループに線量計が1つもなかった?)
 「無い時もありました」
(Q.5〜6人のグループで行った時は?)
 「何も無いです。本当の特急なので、すっ飛んで行った状態。それ以降はグループでAPD(線量計)を 持たせていたけど、グループが同じ動きをしているわけではないので、全員が持っていないかぎりは駄目」(協力企業の社員)

 被ばく線量は体に浴びた「外部被ばく」と、放射性物質を吸い込んだ「内部被ばく」を足して評価します。今回の証言のように、事故からしばらくの間、線量計を持たずに作業したり、グループに1台しかなかった場合、「外部被ばく」の値を正確に把握できないことになります。

 つまり、被ばく限度を超えた作業員は、東電社員8人のほかにも多数いる可能性が出てくるのです。

 「(グループで線量計が1台の場合、数値に)バラツキがあるかと思うが、当時は線量計が足りなかった。環境がほぼ同一と認められる場合、(グループの)代表者が線量を測定するのは基本的には違法なものではありません」(東京電力の会見、午前11時半)

 「やむを得なかった」とする東京電力に対し、厚生労働省は線量の管理に大きな問題があるとみています。

 「特に問題なのは、その状態を(線量計不足)20日間も漫然とやっていたこと。現に我々が指導した3月末に一日、二日の間にあっという間に1000台ぐらい柏崎から借りたり、修理したりして確保できている。東電さんにずっと我々が言っているのは、線量管理をキチンとすることで人員の充足にもつながっていくと」(厚生労働省労働基準局 安井省侍郎専門官)

 マスクを外せる休憩所を作るなど、作業員の環境改善に向けた取り組みはようやく始まっていますが、作業員の放射線に対する不安は根強い。

 「休憩所のスペースは欲しいけど、基本的には発電所内の空気(が心配)。皆、開き直っているわけではないけど、ただやるしかない」(別の作業員)
(15日17:02)

この記事の関連ニュース

2011年6月15日(水)のニュース一覧