職員インタビュー
2006年4月 ジェトロ採用、企画部情報システム課
(メールサーバ、ファイルサーバ、各種ネットワーク運用を担当)
2010年4月 海外市場開拓部海外市場開拓課 デザイン班
(中小企業が製造するデザイン・日用品分野の日本製品輸出を担当)
総合職
現在の業務内容
主に日本の中小企業が生産する伝統産品や優れたデザインを持つ製品を、海外へ販売するための一貫した支援を行っています。
日本と海外ではライフスタイルが違うため、売れる商品の色、サイズ、パッケージなどが異なります。そこで海外の市場に詳しい実務家(海外コーディネーター)を招いてセミナーや個別相談会を開催し、海外でも売れるデザインや輸出体制のアドバイスを行っています。
商品と輸出体制の準備がある程度整ったら、次は海外バイヤーとの商談をアレンジします。中小企業がいきなり海外の展示会に出展して商談を行うことは、金銭的にも時間的にも大きなリスクが伴います。そこで海外からチェーン店やデパートなどの有力バイヤーを日本に招き、国内で商談会を行います。厳選された有力バイヤーを日本に招き、そのバイヤーの調達分野に適した日本企業と引き合わせることは、ジェトロが持つ国内外の幅広いネットワークを活用することではじめて可能になります。また国内であっても商談の「成果」を出すためには事前に十分な準備が必要となるので、商談会に参加する企業や開催地の自治体と綿密な
連絡を取りながら調整を進めていきます。
この他、経験の少ない企業が海外の展示会に出展するための支援なども行っています。
いずれも日本全国の未経験または経験の少ない企業の輸出成功に立ち会える、非常にやりがいのある仕事です。
ジェトロを職場として選択した理由(学生時代に心がけた点など)
日本は古くから多くの海外文化を取り入れ、独自の文化として発展させてきました。その結果生まれた日本文化は現在も広く世界で認められています。私はこのような日本の文化・ライフスタイルを広く海外に広め、また海外のよいところをさらに取り入れたいと考え、大学では国際関係法・国際取引法を専攻していました。このため就職に際しては国際取引に関係する仕事で学んだことを実践に移すべく、様々な業界を研究しました。今日では日本だけでビジネスを行うことが難しいため、メーカー、商社、銀行、飲食店、政府機関など多くの組織が海外に拠点を設けて活動しています。その中でジェトロを選択した理由は、輸出支援を通じて海外取引に直接関わることができること、支援を通じて多くのビジネスモデルに触れることができること、そして利益が出にくく民間企業が手を出しにくい分野でこそ、本当に必要とされているサービスを直接提供することができると考えたからです。特にジェトロの持つネットワークと様々なサービスメニューを駆使して、海外取引経験のない企業を成功まで導く経験を得られることは大きな魅力でした。
過去に担当した業務の中で、最もやりがいを感じた業務内容とその理由
海外市場開拓部に配属される前は職員を相手とする管理的な業務で主であったため、海外販路を開拓する仕事として初めて任された仙台・和歌山での「米国市場開拓セミナー及び個別相談会」は最もやりがいを感じた業務の一つです。ニューヨークの第1線で事業を営む海外コーディネー ターに講師を依頼し、海外展開を目指す人を惹きつけるチラシ作成から、地方・海外事務所との調整、セミナー及び個別相談会の開催、終了後のフォローアップまでを一貫して担当しました。輸出経験の少ない企業がセミナーや個別相談後に自信を持って輸出に取り組もうとする姿勢を見る度に、多くの魅力的な企業に海外展開のきっかけを提供できたと実感しました。またこの事業では1週間あまりの中で実体験に基づく米国市場開拓方法を3回も聞く幸運に恵まれ、私自身が具体的な海外展開の方 法に関する理解を深めるきっかけとなりました。
今後の仕事における「夢」について
日本の文化の中で作られたデザイン性の高い製品を一つでも多く海外に紹介し、メーカー・販売店と共に販路の拡大を目指していきたいと考えています。デザインに優れた製品の購買層として現在対象とされている地域は主に欧米の先進国ですが、将来的にはこれらの国のみならず発展の著しい東南アジアに赴任し、日本の製品をライフスタイルの一部として浸透させられるように率先して取り組んでいきたいと思います。また企業が日本の文化を受け継ぎつつも海外のライフスタイルにも合致する製品を製造できるよう、セミナーなどを通じて幅広く情報発信をしていきたいと思います。