星野監督「やかましい！」観客のヤジにブチッ！…楽天

延長引き分けに渋い表情の星野監督（中）

　◆交流戦　楽天２―２横浜＝延長１０回規定により引き分け＝（９日・Ｋスタ宮城）　やり場のない怒りが沸点を超えた。９回に２点のリードを追いつかれ、敗戦に等しい引き分け。重い足取りでベンチ裏の通路を引き揚げていた星野監督は、ファンからの心ないヤジに「やかましい！」と、思わずどなり声をあげた。

　目前の勝利を自ら手放す自軍が情けなかった。両軍無得点で迎えた６回、２点を先取して、なおも２死二塁。代走に送った内村が、痛恨のけん制死を喫し、追加点のチャンスをミスでつぶした。そして９回無死一塁、守護神のスパイアーが初球のチェンジアップをハーパーに拾われ、まさかの同点２ランを被弾した。

　「勝ちきらんだろ、そりゃ。同じミスを何度もくり返して。２アウトからランナーが飛び出る。外国人への１球目（の失投で本塁打を浴びる）。どれだけ見たか」と闘将は会見で吐き捨てた。昨夜（８日）、せっかく連敗を４で止めて最下位を脱出したばかり。連勝で波に乗りたい一戦だったが、勢いはしぼんだ。

　先発の塩見が粘っていただけに、もったいなかった。５月５日のソフトバンク戦（ヤフーＤ）以来、好投を続けながら白星に恵まれていなかった新人左腕が、７回途中まで無失点に抑えていたが、その勝ち星も吹き飛んだ。「塩見は頑張っていたけどな」と指揮官はかばったが、勝てなければ意味がない。後味の悪い引き分けとなった。