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一本残った松 接ぎ木生育順調

6月15日 18時27分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

岩手県陸前高田市で、津波に流されず1本だけ残った松の木を保存しようと、研究施設が松の木の枝100本を接ぎ木したところ、4本が順調に生育していることが分かりました。

陸前高田市の海沿いに広がっていた国の名勝「高田松原」では、7万本あった松の木のうち、1本だけが津波に流されず、奇跡的に残りましたが、葉が茶色く変色し、枯れるおそれが指摘されています。岩手県滝沢村にある森林総合研究所は、この松の木を残そうと、4月下旬、長さおよそ5センチの松の木の枝を100本採取し、別の木に差し込んで育成する「接ぎ木」を行ってきました。研究所によりますと、13日、このうち、4本の枝からおよそ3センチの新芽が出ていることが確認されました。順調に成長すれば2年後にはおよそ50センチの苗木になる予定で、研究所は1本を研究所に保存し、残りは市に渡したいとしています。森林総合研究所の春原武志さんは「復興のシンボルである松の木の『後継ぎ』の育成に向けた大きな一歩で、大切に育てていきたい」と話しています。