『思想地図β』とは
『思想地図β』とは
2007年、批評家の東浩紀と社会学者の北田暁大が責任編集を担い、NHK出版から「NHKブックス増刊」として創刊された新時代の思想誌『思想地図』は、読者のあいだに大きな反響を呼びました。全5巻が刊行され累計部数は6万部超、東京工業大学で2009年1月に行われた関連シンポジウムには、2000人を越える観客が押しかけるほどの社会現象に育っています。
2010年秋に創刊される『思想地図β』は、その『思想地図』現象を引き継ぎ、2010年代の思想シーンを牽引する新雑誌です。
2010年代は、出版プラットフォームそのものが激変を迫られている時代でもあります。その状況を見据え、『思想地図β』は、より先進的な出版形態を目指すために、新会社<合同会社コンテクチュアズ>により出版されます。『思想地図β』の編集長には、『思想地図』第1期に引き続き東浩紀が就任。Twitter、Ustreamなど、新たなウェブサービスと連動した、いまだだれも目にしたことがない、新時代の思想運動が動き出します。
その胎動の瞬間にぜひお立ち会いください。
編集長より
ゼロ年代は、思想家や批評家にとって逆風の時代でした。世間は安易な社会学的、心理学的処方箋ばかりをもとめ、視野の大きな本質的思考はむしろ軽視されてきました。
しかし、時代は変わりつつあります。一方では日本社会の崩壊に対する切迫感が臨界点に達し、ひとびとの目はもういちど本質的な思考に向き始めている。他方でネット環境の成熟にしたがい、ゼロ年代にはいまだ萌芽でしかなかった新しい運動、新しい社会観、新しい世界観の可能性が、大きく開かれつつある。『思想地図β』は、その二つの流れが交差する地点で、新しい思考の可能性をさらに伸ばし、世代を超えて幅広い読者に届けるための媒体、コミュニケーションのプラットフォーム、そして知の実験場を目指します。
2010年秋刊行予定の『思想地図β』第1号の特集は「パターン」。あるいは「消費社会の生と死」。
ショッピングモールから複雑系を通ってニコニコ動画まで、文系理系、学問と芸術、リアルとネットの垣根を取り払った先進的な誌面を目指します。すでに編集部内では、コンテクチュアズ外部の専門家の協力を得て、目次をめぐる活発な議論が始まりつつあります。
『思想地図β』が切り拓く未聞の光景に、あらためてご注目ください。