ストイコビッチ監督(左)の前でシュートを放つ玉田=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで(木本邦彦撮影)
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名古屋グランパスのドラガン・ストイコビッチ監督(46)が14日、FW玉田圭司(31)に3試合連続ゴールを厳命した。チームは15日の新潟戦(瑞穂陸)に向けて愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで約1時間練習を行った。指揮官は、絶好調のストライカーが満足しないように刺激を注入。もちろん、玉田も自信たっぷりに、指令を受け取った。
試合前には珍しく、シュート練習で締めくくった。糸を引くような玉田の左足ボレーが最後に沈んでゴールネットを揺らすと、仲間が沸いた。
「次もゴールを取ってほしい。これは命令だ」。ストイコビッチ監督の強い口調は、玉田への信頼の証しだった。
5月29日の福岡戦で2得点に続いて11日の磐田戦で終了間際に決勝ゴール。最近7試合で6点と好調をキープしている。ほとんど相手にボールを触らせなかった磐田戦の前半の内容に、玉田は確かな手ごたえがあった。
「みんなが流動的に動いたから、いい形でボールが回った。これを続けていきたい」
玉田を止めるのは、ますます難しくなってきている。高度な技術、俊敏性を「コンディションがいいからね」と肉体の充実が支えている。磐田戦では、攻守の切り替えの速さや、2次、3次攻撃を繰り出すための連続した動きが最後まで途切れることはなかった。
基本ポジションはサイドアタッカー。相手の守備体形を横に広げるために、ライン際に張り付くことを求められることも多いが、自分のスタイルも忘れてはいない。
「ボールに触ってリズムに乗るタイプだから、サイドで待つだけでいいとは思っていない。疲れるけど(中央とサイドと)どっちもこなすつもりで」
2つのバランスを取ろうとするのではなく、両方やるという思考になるのも、コンディションに自信があるからだろう。
09年に4試合連続ゴールした時も、3試合目は新潟戦。「それは、あんまり関係ないんじゃない。毎回、新しいゲームだからね」。今の玉田は、相性も、監督のプレッシャーも気にならない。
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