事件・事故・裁判

文字サイズ変更

福島第1原発:建屋覆うカバー 設置計画を発表

福島第1原発1号機の原子炉建屋を覆い、放射性物質の飛散を防ぐカバーを設置する工事の様子を示した模型=東京電力提供
福島第1原発1号機の原子炉建屋を覆い、放射性物質の飛散を防ぐカバーを設置する工事の様子を示した模型=東京電力提供

 東京電力は14日、福島第1原発で原子炉建屋全体を覆うカバーを設置する計画を発表した。27日から原発敷地内で組み立て工事を始める。

 カバーは南北約47メートル、東西約42メートル、高さ約54メートルで、鉄骨と、ポリエステルの樹脂に塩化ビニールをコーティングした壁面で作られる。水素爆発で原子炉建屋が大きく破損した1、3、4号機に設置し、原子炉や建屋内にあるプールの水蒸気などから放射性物質が飛散したり、雨水が建屋内に入って汚染水になることを防ぐ。地震や風圧に対する安全性も確認しているという。

 カバーは4月に発表した事故収束の工程表で計画されていた。設置作業は作業員の被ばくを防ぐため、福島県いわき市の東電施設内で数十メートル規模のユニットに組み立ててから船で運び、原発敷地内でクレーンを使って組み立てる。

 また東電は14日、試運転を始めたキュリオン社製のセシウム吸着装置で処理した水の分析結果を発表した。それによると、セシウム134、セシウム137がいずれも約3000分の1に減少。東電は「期待した能力を発揮している」としている。今後、薬剤で放射性物質を沈殿させる仏アレバ社製の除染装置を試運転し、17日から装置全体で本格運転を開始する。【関東晋慈】

毎日新聞 2011年6月14日 22時03分(最終更新 6月14日 22時16分)

 

おすすめ情報

注目ブランド

毎日jp共同企画