2011年6月14日20時44分
公立学校の卒業式などで「君が代」斉唱時に教諭を起立させる校長の職務命令をめぐる訴訟の上告審判決で、最高裁第三小法廷(田原睦夫裁判長)は14日、命令は「思想・良心の自由」を保障した憲法19条に違反しないとの判断を示した。その上で、不起立による懲戒処分の取り消しなどを求めた教諭らの上告を棄却した。5人の裁判官のうち1人は反対意見を述べた。
起立斉唱を命じる職務命令を「合憲」とした最高裁の判断は第二小法廷、第一小法廷に次いで3例目。この日の第三小法廷の判決で、小法廷の審理には原則として加わらない竹崎博允(ひろのぶ)長官を除く裁判官14人の意見が出そろった。弁護士出身の2人が反対意見を述べたが、残りの12人は合憲とする多数意見に賛成した。
今回の訴訟を起こしていたのは、東京都内の市立中学校の教員と元教員の計3人。2004年3〜4月の卒業式と入学式で君が代斉唱時に校長の命令に反して起立しなかったため、都教委から戒告処分を受けた。