東日本大震災 「すべり過ぎ」で津波巨大化 東大解明
産経新聞 5月20日(金)7時56分配信
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「すべり過ぎ」で津波巨大化(写真:産経新聞) |
【いま読む震災前の警告】1000年間隔で襲う津波 仙台内陸部まで遡上
井出准教授らは、全世界のデジタル地震観測網の地震波記録を分析。(1)最初の3秒間はゆるやかな破壊(2)次の40秒間に陸地方向に破壊が進行(3)この後に、海溝付近で約60秒間の大きなすべりが発生(4)再び陸寄りで90秒間の深部破壊−の4段階で震源断層の破壊が進んだことを解き明かした。
巨大津波を起こしたのは(3)の段階で、このとき震源断層に蓄積されていた地震エネルギーが100%放出されただけでなく、ダイナミックオーバーシュート(動的過剰すべり)と呼ばれるすべり過ぎ現象が発生。陸側プレートの先端が変形しながら大きく跳ね上がり、津波の規模を巨大化させた。すべり量は、蓄積したエネルギーの2倍に相当するという。一方、人が感じるような周期の短い地震波(ガタガタ地震)は、(2)と(4)の深部の破壊過程からしか放出されていない。
津波地震として知られる明治三陸地震は、(3)のような静かで大きな断層破壊だったと考えられるという。井出准教授は、「東日本大震災は、深部のガタガタ地震が海溝付近の津波地震を誘発したようだ。このような連鎖は頻度は低いが、地震・津波を巨大化させる普遍的なメカニズムと考えられる」と話している。
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最終更新:5月20日(金)11時55分
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