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「課題の解決と役割の見直しにより、時代に合った使いやすさを追求する」−ミクシィ原田氏・石橋氏に聞く「足あと」機能改善のポイント(後編)ソーシャルネットワーキングサービス「mixi」は6月6日に、mixi 上で自分のアカウントを訪れた人やアクセス数がわかる「足あと機能」を大幅に改善し、新たに「先週の訪問者」という機能としてパソコン版、モバイル版、スマートフォン版で6月13日からそれぞれ提供を開始すると発表した。
後編では、今回の機能改善の背景にどのような考えがあるのか、株式会社ミクシィ 代表取締役副社長 原田 明典氏に伺う。(前編はこちら)
● 機能改善の背景に「足あとの意義」の変化 2004年の mixi スタート当時、mixi におけるコミュニケーションの中心は「日記」「メッセージ」で、ユーザーが相手のページを訪問することで交流が生まれていた。しかしその後 mixi には様々なコミュニケーションの在り方が生まれ、「足あと」の意義も大きく変化してきたという。 原田氏はそのターニングポイントをいくつか挙げた。ひとつは足あと機能に削除機能が追加されたこと。これを原田氏は「足あと機能最大の変化だった」と振り返る。相手に知られたくない場合に訪問情報を残さないというファンクションが生まれたことで、訪問者を正確に把握するという足あと本来の前提が覆ったからだ。 そして、その後には「mixi アプリ」「mixi ボイス」など、足あとを残さずに友人・知人と交流したり近況を把握することができる手段が発展し、そして友人・知人に簡単にリアクションを返すことができる「イイネ!ボタン」の登場で、ユーザーは相手のページを訪問しなくても友人・知人の近況を把握し、リアルタイムなレスポンスを返すことができるようになった。これら mixi における様々な機能の変化、コミュニケーションスタイルの変化によって、「今、本当に足あとに必要な役割は何かを、見つめなおす時期が来た」と原田氏は説明する。 確かに、現在の mixi のトップページには友人・知人のボイス、チェック、アプリゲームの成績や日記、写真など様々なアップデート=近況が表示され、相手のページを訪問しなくても簡単に友人の近況を把握することができる。相手のページを訪問するのは日記や写真を見るときくらいで、自分の ホームには「イイネ!」や mixi ボイスに対するコメントなど 友人・知人からのレスポンスがあふれており、足あとを確認する必要がない。 このような状況で「足あと」に求めるものは、「誰が私のページを訪問してくれたのか」という"まとめ"と、新たな友人・知人とのつながりを生み出すきっかけであり、今回のリニューアルは現在の mixi の使い方やコミュニケーションから生まれるニーズに合わせた機能の最適化と言うことができるのだ。 ● ミクシィが目指すのは、「わかりやすさ」「使いやすさ」の追求 最後に、原田氏に今後の mixi が考える機能の方向性について伺った。原田氏は、現在の mixi の状況について「ユーザーが増え続ける中でその使い方や機能の要望は多様化し続けており、すべてのニーズに運営者が100%応えるのは難しい状況になってきた」と、一般的なウェブコンテンツ・ウェブサービスにはない、コミュニケーションプラットフォームとしての難しさを語る。 同社は機能のリニューアルや追加の際には、ユーザーのコメントやサポート窓口への意見などのほか、利用者のログ解析などによる「声なき声」にも耳を傾け、多くのユーザーが満足できる機能を提供しようと努力を続けているという。しかし、mixi はもはやメディアでもサービスでもなく、ユーザー自身が自分の好みやスタイルに応じて活用するコミュニケーションの道具であり、その使い方やニーズは実に千差万別なのだ。 その中で運営者である同社は、機能の複雑さやわかりにくさによってユーザーがその道具を不便に感じないよう、ユーザーの声や時代の変化に合わせて機能の見直しや追加、統廃合を続けていくことで、いかに mixi が「友人といつでも簡単に会話ができる使いやすい道具」としてユーザーに愛されるかを目指していくという。また、同社は機能の外部開放(いわゆるオープン化)も引き続き推進し、同社でカバーしきれない要望や機能については、外部のパートナーと様々な形で連携し、そのニーズに応えていきたいとしている。 原田氏はこの点を強調し、「mixi が目指すのは"Easy"なコミュニケーション。ユーザーにとってのわかりやすさ、使いやすさはもっと改善できる。時間、場所、デバイスを問わず、親しい友人・知人と気軽に簡単に多くのコミュニケーションを生み出せる世界を追求していきたい」と抱負を語った。
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