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Webビジネス2011年6月7日 10:00

「課題の解決と役割の見直しにより、時代に合った使いやすさを追求する」−ミクシィ原田氏・石橋氏に聞く「足あと」機能改善のポイント(前編)

ソーシャルネットワーキングサービス「mixi」は6月6日に、mixi 上で自分のアカウントを訪れた人やアクセス数がわかる「足あと機能」を大幅に改善し、新たに「先週の訪問者」という機能としてパソコン版、モバイル版、スマートフォン版で6月13日からそれぞれ提供を開始すると発表した。

足あと機能は、2004年に mixi がサービスを開始した当時から提供されていた機能のひとつで、自分のアカウントの訪問者を把握したり、友人とのコミュニケーションのきっかけを生み出す機能として多くのユーザーに利用されてきたが、今回のリニューアルではその機能をどのような目的で、どのように生まれ変わらせたのだろうか。株式会社ミクシィ 代表取締役副社長 原田 明典氏と、開発を担当した同社 開発グループ ソーシャルグラフ開発チーム 石橋 智幸氏にお話を伺った。
株式会社ミクシィ 代表取締役副社長 原田 明典氏と同社 開発グループ ソーシャルグラフ開発チーム 石橋 智幸氏
株式会社ミクシィ 代表取締役副社長 原田 明典氏と同社 開発グループ ソーシャルグラフ開発チーム 石橋 智幸氏

● 足あと機能、大幅改善のポイント

まず、改善のポイントを整理しよう。
6月13日に公開される新機能「先週の訪問者」
6月13日に公開される新機能「先週の訪問者」

一点目、従来の過去20件分の足あとを時間順に、リアルタイムに更新する仕組みを廃止し、過去1週間分の訪問者情報を週1回定期的に更新する仕組みとなった。つまり、何度も訪れる友人が足あとに繰り返し名前を残していた状態が、「過去に訪れた友人」のひとりとして表示されることになるのだ。「訪問者」が更新された場合には、mixi のトップページにお知らせが表示されるようになっている。

二点目は、訪問者がどのような経緯で自分のページを訪れているのかが詳しくわかるようになった。具体的には、「友人」「友人の友人」「同僚」「同級生」「コミュニティ」など、mixi ユーザー同士をつなぐ様々な要素のどこに共通点があり、自分のページを訪れているのかが把握できるようになるのだ。従来では、「友人」または「友人の友人」のみわかる仕組みだったが、これによりユーザーの「なぜこの人は自分のページを訪れたのか?」という疑問が解決できるようになる。

そして三点目は、「先週の訪問者」には自分自身と何かしらの関係があるユーザーのみが表示され、自分と無関係なユーザーの情報を残さないようにした。従来の足あと機能では自分の友人以外の足あとが多く残ることで本当の友人の訪問を見逃してしまうことがあったが、今後は「自分のページを訪れてくれた友人・知人や自分に関係のある人」だけを正確に把握することができるようになるのだ。
「先週の訪問者」が更新されると、コメントやイイネ!同様にトップページにお知らせが出るようになる
「先週の訪問者」が更新されると、コメントやイイネ!同様にトップページにお知らせが出るようになる

● 足あと機能の課題と改善し、長所を伸ばす

このような大幅な改善の目的について、開発担当の石橋氏は従来の足あと機能がもつ「伸ばすべき長所」と「解決すべき課題」を挙げた。

まず、従来の足あと機能の長所は「mixi ユーザー同士のつながりが生まれる」ことだという。石橋氏によると、友人・知人が mixi 上で繋がる「マイミク申請」は、1日約10万件が足あとから生まれており、その承認率は80%と高い。つまり、誰かが誰かに足あとを残すことで、それがきっかけとなってリアルな友人・知人が mixi 上で巡り合い、mixi 上でも繋がりが生まれるのだ。

この点を石橋氏は足あと機能の大きな長所であり、また訪問者を「友人の友人」までしか把握できない点や「知らない人の訪問に不安を感じる」という点を課題と考え、それを改善して更に使いやすくする方向で開発を進めたのだという。

一方、従来の足あと機能の課題は「そのクイックすぎるレスポンスだった」と石橋氏は語る。従来の足あとは、一度アクセスすれば時間とともに足あとが必ず残る(あとで削除することも可能)。これは訪問される方にとっては訪問者の把握に役立つが、訪問する方にとっては自分の訪問がその時刻も含めて必ず相手に通知されるということがひとつのプレッシャーになってしまい、気軽に友人のページを訪問できなくなってしまっていたのだ。石橋氏によると、足あとの削除件数は増加傾向にあるそうだ。

石橋氏は、このような課題によってユーザー同士が交流を遠慮してしまう現状を「コミュニケーション機会の喪失につながっている」と考え、新機能のポイントである「週1回、過去1週間の訪問者を知らせる」という形を生み出したのだ。

今回のリニューアルによって、従来の足あと機能にあった「リアルタイム性」や「訪問者数」という要素が姿を消すことになるのは、従来の足あと機能に親しみのあったユーザーにとっては少し違和感を覚えるかもしれない。しかし、ユーザー同士のコミュニケーションは「いつ訪問してくれた」ではなく「誰が訪問してくれた」から生まれるものであり、今回の機能改善はそれをよりわかりやすく整理したものと言えよう。
”「足あと」の課題を解決し、長所をよりわかりやすく”−開発コンセプトを語る石橋氏
”「足あと」の課題を解決し、長所をよりわかりやすく”−開発コンセプトを語る石橋氏

後編では、原田氏に足あと機能改善の背景や今後の mixi のサービス開発の方向性について伺う。

後編はこちら

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