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2011年06月13日

僕の短角牛・国産丸のハラミをありがたくいただいた。神楽坂しゅうごにて、感動のひととき。これでまた明日からがんばれる!

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撮影:リコーGXR+50mmF2.5マクロ

先日、と畜センターに出荷した国産丸は、翌日にと畜・解体され、枝肉のまま10日間ほど吊した後に部分肉解体されて熟成に入る。僕の場合、小売り販売するわけではないので、肉の色が暗くなっても問題は無い。だから長期熟成で30日程度は寝かせることになる。従って、通常の正肉が口に入るのは7月以降だ。

しかし、内臓についてはそうではない。内臓はフレッシュさが命だから、解体後すぐに依頼のあった店に直送し、残りは全て冷凍してある。で、今回内臓肉のフレッシュが食べられるのは、東京は飯田橋の「神楽坂しゅうご」だけである。届いたその日に広瀬しゅうごシェフから「むちゃくちゃ旨いッスよ!」という連絡が来た。お客さんにも好評なのでいつまであるかわからないという。僕は明日・明後日と高知出張なので、もしかすると口に入らないかも。うーん

ということで、本日無理をして行ってきた。

 

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飯田橋駅の東口(かな?)からずんずん神楽坂方面へ登っていったところにひっそりたたずむ神楽坂しゅうご。

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坪数が小さいのにいつでも満員御礼のスゴイ店だ。しかも狭い調理場なのに、驚くような料理が出る。

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「これです、これがハラミです!」

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おお、存在感のあるサガリだ、なんかすごく赤く感じる。

「こいつがハラミです」と、サガリより細身になるサガリもここに着いていた。

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これに加えて、レバーが到着しているのである。

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まずは、ヤングコーンのパン粉焼きの上にハラミの筋の部分をカリカリに焼いたのを載せた前菜。

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ん、脂の香りがいい。国産丸は、デントコーンサイレージに加えて小麦のふすまとくず大豆を餌に食べさせている。グラスフェッドではなく、穀物も適度に給餌するという方式だ。しかし、サシはできるだけ入れないで赤身肉の美味しさを追求するのが久慈市山形村のやり方。どんな味になるのかとドキドキしてしまう。

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今日もみるみるうちに大入り満員。早めに頼んでよかった!

「はいっ これが国産丸の肉三点もりです。左下がサガリ、上がハラミ、右下がレバーです!」

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うーん、にくっ肉っおにく!である。 内臓肉の範疇であるハラミもサガリも、食感は正肉に近い。でも、どちらも全く熟成をかけていない状態、いったいどんな味がするのだろうか。

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結論。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお もんのすごく 旨い!!!!!」

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いやビックリしましたね! さちの肉のサガリも旨かったのだけども、メスだったからきめ細かさ、色っぽさが前面に出た味だった。国産丸はオス去勢牛なので、繊維の太さもあり旨みもダイナミック!噛んだ瞬間に、脂ではなく肉汁がジュジュッとしみ出てくるのだ。その旨みジュースの濃さが、さちの時より一段上のような気がした。

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とろけるような柔らかさのハラミにくらべ、ハラミはキュッと締まった肉質。しこん、しこんという歯ごたえが楽しい。

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そしてレバー。

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広瀬シェフ的には「ちょっと使いにくい部分もあったんですけど、今日の側はいいなぁ」とのこと。部位によって今ひとつの部分もあったらしい。しかし申し訳ないけど、今日のレバーは実にクリアな味。臭みありません。

いや、元気が出た! 昨年もさちの肉を初めて食べたとき、泣くかと思ったら逆で、もりもり力が湧いてきた。やっぱり牛のような大型動物の肉をいただくという行為は、とてもありがたいことなのだ。これをエネルギーに変えて、いまから必殺の原稿執筆です。

あ、そうそう、この日の神楽坂しゅうごのカウンターには奇跡のように知己が集まった。

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真ん中の二人が8月1日に開催する赤肉サミットを手伝っていただくK女子ご夫妻。そして両脇の男子は僕の隣に座った二人。その片割れ(左)が「やまけんさん!久しぶり!」と声をかけて来るではないか!なんとむかし、無二路にてパスクワリーノを招いてのオフ会を開催したときに来てくれたAさんだ。示し合わせてないのに、なんでこんなメンツが集まるのか。

ありがたいひととき。そして僕はオフィスに戻った。

実は先日、ある読者から強い調子のメールが届いた。いわく、最近のおまえのブログは牛の話ばかりだ。牛は本来、草を食べるもので、大豆を与えるなどいいことではない。補助金をつけて貧困にあえぐ国に送った方がいいのに、ナニを喜んでいるのだという内容だった。僕は、自分の名前や立ち位置を名乗らないメールには原則的に返信をしないのだが、あまりに内容に腹が立ったので返信をした。そうしたら、このメールをくれた人はなんと野菜専業の農家さんだった。

僕にとって農家は範とする存在である。その方からこんな風にみられていたか、とガッカリした。俺がやってるのは、自国内の飼料を食べることで、他国に迷惑をかけない畜産を推進することなんだけどなぁ、、、と。

そのガッカリ感は今日に至るまで引きずっていたんだけど、それが吹っ飛んだ! ありがたく食べて、それが自分のエネルギーになり、その力を世の中に役立てるために使っていくしかないのだ。もちろん鶏や豚よりもカロリーを必要とする牛を食べるという行為はエゴだ。けれどもそのエゴを、俺は肯定しようと思う。

ではこれから原稿書きます。んで、明日・明後日は高知にて、県知事と土佐あかうしの強力・優男に会ってきます。

Posted by yamaken at 21:49

東日本大震災で炊き出しするシェフに対する支援: 大船渡ポルコロッソの山崎純ちゃんより、現場の写真届く。

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ポルコロッソの山崎純ちゃんから5月最終週の配食数のエクセルとともに連絡ありました。

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エクセルシートは支援金お振り込みいただいた方へ参考までにメールすることとします。みていると1300食程度は毎日コンスタントに配食しているようだ。

どうも、「そろそろ被災地支援も一段落」という雰囲気が漂っているようだけども、仮設に入ろうがなんだろうがまだ職もなくタンス預金も全て流されてしまった人たちがたくさん居る。先日、ソウルオブ東北のシンポジウムで僕が話した後の質問で「そろそろギブ&ギブの支援じゃなくて、ギブ&テイクにしていかないといけないんじゃないか?」という趣旨のものがあった。これに対して僕は「全然またギブ&ギブの段階だと思います」と話した。すでにギブ&テイクができるのはむしろ岩手県の内陸で、直接の被災を免れた人たちだと思う。様々なメーカーが頑張っている。けど、沿岸部の直接的被災者の人たちに「ほら、そろそろ何か返せ」といっても、やりたくてもできない人たちが多いのだ。

ということで、支援はまだまだ続けていこうと思います。継続的に支援金をお振り込みいただいている皆さん、ほんとうにありがとうございます。

では、純ちゃんからのメール。

 

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ガチャガチャの調理場で

ろうそくの灯りの中

泣きながら塩おにぎりを

握ったのが3ヶ月まえ

一瞬のような永遠のような
時間が過ぎました。

塩おにぎりから

紙コップのカレーライス

紙コップのカレーから

紙コップのお惣菜

紙コップのお惣菜から

一人一人にお弁当

いつもお世話になってます
リアスホールのみなさんに
今日やっと一人一人に

お弁当をお届け

することができます。

やりたいことと

出来ること

3ヶ月やっと、

ここまでこれました。

これもみなさんの

温かいご支援と

踏張ってくださってる

スタッフのおかげさまです
今晩、乾杯したいと思います。

ありがとうの涙の

しょっぱいビールで

(ノд<。)゜。

いつもご支援ありがとうございます!

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Posted by yamaken at 10:30

2011年06月11日

ウクライナTERRA社のガイガーカウンター MKS-05を買った。輸入総代理店のジョーさんと意気投合。

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(写真は5月23日・日本橋小舟町のとある植え込み)

先日のエントリで、岩手県二戸市の牧野で放射線量を測った機材がこれ。ECOTESTというシリーズのMKS-05だ。ガイガーカウンターのよしあしはいろいろ言われているけれども、この機種はブルートゥースでPCとの連携ができたり、閾値の設定や累積データの保管など細かい機能が充実していて、線量の高いことが予想される地域の企業から業務用に使いたいということでオファーが殺到しているそうだ。ちなみに6月5日に入荷したロット数百台は二日間で売り切れてしまったそうだ。次回入荷は7月とのこと。

 

γ、β、そしてガイガー管の蓋を外せばα線も測れるのだそうだ。

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楽天やヤフオクなどいろんなところで平行輸入とか転売とかされているけれども、僕は正規の輸入代理店であるアンビエントという、僕のオフィスから近い人形町の会社から購入した。まだコンテンツが仕上がっていないところも多いけど、Webはこちら。

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http://www.ecotest.jpn.com/

社長を務めるジョーさんは33歳、さわやかキャラである。

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ちなみにジョーといっても日本人である(笑)

「少しでも皆が安心して暮らせるための指標になる機械です。これを買っていただいた方が計測した各地の線量をリアルタイムでマップしていく仕組みを作ろうと思っています。そうすると、民間レベルの線量マップができますよね」

と言う。それは興味深い! 結局今まで日本人は放射線に鈍感だったというか、自分の身の回りを測定するという週間がなかったワケだ。こうした、ある程度の精度を持つ機械が身近になかったということで、測定などまったく関係ないという人が多かっただろうが、手の届く金額で入手できるようになったのだから、手元に置いてみるといいと思う。

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ちなみにおいくらか? 小売価格は128,000円(税別)なので、中国製のものとかと比べると安くはない。けれども、信頼性を考えたらこれくらいの価格の方が安心できると思うのは僕だけだろうか?ちなみにガイガー管の寿命は5年程度、そして、期間中に正常に動いているか否かのキャリブレーション(校正)を3千円前後でしてもらえるようなサービスをする準備もしているそうだ。

ということで、これから出張する際には必ず持って行って測るよん。農業関係者で欲しい人が居たら紹介しますので連絡を。

Posted by yamaken at 19:19

2011年06月09日

二戸市浄法寺の牧野へ登る。ひつじぐもといなほと逢いに行き、彼らが秋までに食べる牧草地の線量を計りに行った。そしたら、短角牛が愛を交わす瞬間に出くわした! その2

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さてエリート牧区の向かい側に、ひつじぐも達がいる牧区があるはずなので、ちょっとだけ移動。

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いつもは牛たちがどこにいるか、広い範囲の中で探さないといけないので大変なんだけど、今回は道路から見えるところにいてくれた!

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しかも、すぐにひつじぐもといなほちゃんが見つかった!これがいつもはすんなりいかずに苦労するのだ、、、

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実はひつじぐもは、さちが生まれたときに問題になったように、乳量が多すぎて乳首が詰まってしまうと言う問題があった。それが、第2子/第3子はオスが生まれたから、飲む量も多くて問題にならなかったのだが、今年は女の子なので、また乳首が詰まってしまいぱんぱんに腫れてしまうという問題が発生していた。

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こんなにぱんぱんになることは普通無いのだ。いなほはメスで乳を飲む量が少ないので、乳首に乳脂肪などが溜まって詰まり、最悪の場合には破裂してしまう。さちの時はひつじぐもが痛がって授乳できないという事態になっていた。

ただ、今年は何とかなって居るみたいで、いなほと仲むつまじく寄り添って暮らしていた。

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ああ、、、 よかった、、、

あ、そうそう放射線量を量らなくちゃ。

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ということで、0.1以下だった。なんとかぎりぎりセーフ、かな。いなほちゃんは肉牛にはせず、繁殖メス牛にするので、彼女が摂取してしまった放射線は生まれてくる仔牛達に影響を与えるはずだ。だから、牧草由来の線量がどうなるのか、非常に心配をしていた。

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牧草は、一番草・二番草そして三番草まで生え替わる。三番草までに重篤な原発事故が発生しなければ、だんだんと線量が弱くなっていくことが期待できる。心の底から祈るばかりだ。

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実をいうと、調査するまでは真剣に北海道へ疎開させようかなどを考えていた。この分であればその必要はなさそうだ。

それにしても、ひつじぐもは初年度の神経質さが全くなくなり、おおらかな性格に落ち着いた。僕が少し近寄ってもあまり気にせず寝ていてくれるので、こんなツーショットも撮ることができた!

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ちょっとずつにじり寄って撮影。前なら必ず逃げてしまっていた距離だ。15分ほどこんな感じでゆったり遊び、ゆっくりと彼らも立ち上がり、群れの方に行ってしまった。

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感動的に緑が綺麗な、すばらしいタイミングでの牧野だった。さて、下山して「遠足カレー」だ!

Posted by yamaken at 17:44

二戸市浄法寺の牧野へ登る。ひつじぐもといなほと逢いに行き、彼らが秋までに食べる牧草地の線量を計りに行った。そしたら、短角牛が愛を交わす瞬間に出くわした!

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国産丸をスターゼンにつれていった後、いつも通り短角亭にて昼ご飯。

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カッキーは、自分がいる山形町の短角は月に一回程度食べているけれども、他の産地の牛はそれほど食べたことがないという。ので、二戸の短角の味は「俺の目指す赤身ではないけど、勉強になるなぁ」ということだ。産地間でもっと連携して、味の違いを明確に打ち出した方が、食べる方も面白いと思うんだけどね。是非今後、短角の産地間たべくらべをどこかでできるようにしたいものだ。

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いつも通りもも肉は焼かないで生のまんまでいただく。もちろん自己責任でやっております、ハイ。激安焼き肉チェーンのせいで生肉自粛ムードになってしまい、ユッケ用部位である内モモが売れなくて肉屋さんは大変だ。でもねぇ、もも肉はやっぱり生が美味しいよ。みんなが信頼できる店を見つけられるといいんだけど、まずは価格だよね。一皿400円以下で生肉食べられるなんて考えない方がいい。

朝から長距離を走ってきたカッキーと別れ、杉澤君と新しく浄法寺の短角達を面倒観ることになった斉藤クンと、牧野に上がる。

 

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目的である、放射線量のチェック。

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牧野の入り口のγ線は0.10μシーベルト。東京の人形町で測ったときに0.18程度だったのでそれは下回っている。切り立った山ではなくなだらかな丘なので、放射性物質が南風に乗ってきたとしても、流れていくのかもしれない。

エリート牛たちが居る牧区を通り過ぎようとしていたら、風車の近くでたむろしている牛たち発見。

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実はここで、スゴイものを観てしまったのだ、、、以下、アダルトな表現を含みますので、ご注意下さい。

これまで書いてきたとおり、肉牛は通常は血統を管理するため、人工授精がほとんどだ。しかし短角牛は本交(自然交配)といって、放牧中の40頭程度のメス牛の群れにオス一頭の割合で放す。そうすると、オスはメスの発情を敏感にかぎ取って種をつけていく。当然ながら人工授精よりも高い確率で受胎する。秋に山からおろすまでの間に、1トン近い体重が100キロほど減るという重労働を、種牛はこなしているのだ(笑)

で、、、視界の端っこの方に、するするとメス牛のおしりの匂いをかいでいる種雄牛を発見!

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も、もしかしていくんじゃないか?と思っていたら!

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乗った!

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乗ってる雄牛と乗られてるメス牛の間に細い管みたいなのがみえるだろうか?あれが、ナニなのである!

狙いを定めて、、、

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バスーンと一ツキ!

牛の交尾はほんとうに一突きで終了する。メスの体温を感じて射精するそうだ。んで、引き抜いてるのみてびっくり。長いよ。

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この間、ほんの3~4秒程度です。

「うわーーー 撮ろうと思って撮れるシーンじゃないよ!ラッキーだったね!」

とみんなで大盛り上がり。女性がいなくてホントによかった、、、(笑)

それにしても短角のオスは偉い。終わった後にもメスに優しいのである。

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仲むつまじいカップルはその後もしばらくほおをすり寄せ合いながらたたずんでいたのでありました。

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(続きます。)

Posted by yamaken at 13:37

2011年06月08日

国産丸の出荷 お別れののち、新しい命である「いなほ」が食べる牧野の放射線量を測りに行った。

 

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月曜日、二戸に到着すると、私服姿の杉澤君が待っていてくれた。

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二戸市浄法寺支所の畜産担当をずーっとやってきた彼は、この春から二戸駅に隣接した役所の部屋で商工観光課に異動となった。残念だけど、彼の仕事が「生産」から「普及・振興」に移っていく訳で、本質的には変わらない。これからもヨロシクね。

しばらくのち、久慈市山形村から、国産丸を育ててくれた柿木君が到着。

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遠回りしたんでねぇの?と訊くと「うんにゃ、雫石で開催されてた市場に出荷してから来たんだよ」 えええ、久慈市から雫石にいって、そんで二戸?それは重労働だ、ほんとにお手数かけました。

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国産丸は750キロくらいにはなっているとのこと。運搬車には彼一頭だけが残っていた。

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道々いろんなことを話す。中でも話題は放射能のこと。南風が吹いてくる時期になったので心配ではある。しばらく前に盛岡管内のある地点で放射性物質が観測されたのだけれども、その後は数値は低く落ち着いているという。それで、実は今回の大きな目的として「線量を測る」というのがあった。このために、ガイガーカウンターを入手した。親友のカガヤが知り合いになったというとある代理店さんから、ウクライナのTERRA社の製品を割安で購入させていただくことになったのだ。

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二戸駅前はこんな感じ。都内の江東区より低いですね。

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山形村の短角が出荷されている大地を守る会でもきちんと線量を計測した上でないと出回らないようにしたらしい。それにしても皮肉な話だ。カッキーがつぶやく。

「いままで俺たちは国産飼料を100%食べさせているから、安心してくださいと言ってきたのに、今回の話はそれをぶちこわしにしちゃったんだよ」

本当にそうだよな!輸入飼料だから安心、ということにならないようにも、きちんと測るべきは測る。基準値以上なら消費者の口に入らぬように廃棄、生産・流通関係者には損害をきちんと賠償というスキームはきちんと出来なければならないと思う。「第一次産業ばかり補償されてずるい」という人がいるようだけど、第一次産業はたべものを作る産業なのだから、他産業と同列に考えられてはいけないものだと思う。そもそも矛を向ける先はそもそも事故を起こした側であるべきなんだから。

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と畜・解体をしてくれるスターゼンに到着。登録証という、牛の戸籍謄本にあたるものを提出。

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事務所にて、と畜申請書を書く。

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10桁の個体識別番号、生産者の住所など、そして「何を食べさせたか」の概略。これで受け渡しの書類が完了。

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と畜前に牛を係留する場所へトラックを着け、国産丸をおろす。

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国産丸は、朝から長距離のトラックに乗らされてきたので、すっかり疲れてしまって座り込んでいた。住まなかったなぁ、、、

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不思議なもので、さちの出荷の際には涙が出そうだったけれども、今回は心が静かだ。国産丸の半身分は、被災地の人たちに食べてもらうごちそうになる。君の美味しさで、被災地の人たちに少しでも力をあげてください。

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ありがとう、国産丸。柿木君、100%国産飼料で彼を育ててくれてありがとう。

昨年に引き続き、国産丸のロース意外の部位を7月上旬に、焼き肉セットとしてお届け予定です。今回は150セット程度になると思います。飲食店さんで希望部位があれば連絡をくださいね。

そして我々は、牧野に登ったのである。(つづく)

Posted by yamaken at 11:16

2011年06月05日

明日(月)から岩手二連戦。 まずは、、、今年もやってきました。僕の短角牛第二子 国産丸の出荷です。

出荷1ヶ月前の国産丸の雄姿。この時点で650kg程度になっています

いよいよ明日、僕の短角牛「ひつじぐも」の第二子である「国産丸」とのお別れの日です。第一子の「さち」はメスだったので異様に感情移入してしまったのだけれども、この子は男の子であるせいか、粛々とその運命を受け入れている僕が居ます。

間違いなく1トン近く体重がある闘牛用の短角牛。ちなみに横綱です。こんな猛獣が柿木君にごろごろなついているのだからスゴイ。

僕の愛する岩手県久慈市山形町で、柿木君に可愛がってもらって育ちました。あ、上の写真に写ってる牛は、闘牛用の横綱のオスです。

国産丸が食べてきたデントコーン・サイレージ。柿木さんが自分で育てて、発酵させた粗飼料だ。

国産丸が食べてきたデントコーンサイレージ。そして、、、

柿木農場では国産飼料100%!くず大豆を茹でたものを僕も食べてみたが、くずどころか立派に美味しい大豆だった!

人間が食べても十分に美味しい大豆を与えて育ててくれた。カッキー、ありがとう!

明日の朝一番の新幹線で二戸に入り、国産丸出荷の後、牧野にいるひつじぐもと、その娘であるいなほに会いに行きます。その後、水沢江刺へ移動。火曜日は南三陸へ炊き出しに行って参ります。

Posted by yamaken at 22:31

2011年06月03日

ソウルオブ東北、無事開催。東北からはロレオール伊藤&ポルコロッソ山崎純シェフ参加!

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おかげさまで無事、終了。来ていただいた方、ありがとうございました。
当日、インターコンチに入り厨房を覗くと、いるわいるわ有名シェフが一杯。

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そんななかで、瓢亭の高橋義弘さんと、ロレオール伊藤シェフ、ポルコロッソ山崎純ちゃんが仲良くなっていた!

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いい感じですよぉ

そこへ通りかかった、京都のドン・菊の井村田さんと純ちゃんのツーショット。

 

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「山崎さんとこは被災しちゃったの?」

「ええと うちの店はまわりから『敷居が高い』と言われてまして、ほんのチョットの差で波が来なかったんですよ」

「うわっはっはっは 面白い人だなぁ でもそれはよかったね、ホント」

こんなふうに、御大に会ってもペースが崩れない純ちゃんが持ってきたのはローストポーク。いい色です。

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奥田さんも、もちろん参加。庄内は被災していないにも関わらず、この人は時間さえあれば炊き出しにいっている。

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さて、まずは第一部、新潟大学の野中先生による、東北の土と農業についてのご講演。

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これが僕にとってはドンピシャなお話しで、昔の農書などに著されている概念が現代にも通用すること、その世界観をこれからの農は持たなければならないと言うことをわかりやすく話してくださった。

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んで、僕が50分ほどお話しさせていただいたのち、シェフ達のパネルディスカッション。

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純ちゃんも登場です。

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ちなみにこの会の趣旨は、パーティーの収益でキッチンワゴンを三台確保し、料理人3000人がかわるがわる被災地を訪れて食でみなを励まそう!というもの。

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このために、有名店が出店するビュッフェパーティ!これが今回の目玉である。

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京都のプリンス・高橋義弘さん。

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嬉しかったのは、彼が青森のトキワ養鶏の「こめたま」を使って瓢亭たまごを作ってくれたことだ。

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しかもこの赤いジュレは、あれですよ。飯尾醸造の紅芋酢。日本料理でこんなにフレキシブルに愉しい料理を作ってくれることが嬉しい。

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菊の井の八寸は、これだけでお腹いっぱいになりそうなゴージャス版。

二戸短角牛を使い続けてくれている銀座KANSEIさん。

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村田さんも「短角、旨いよなぁ」とご機嫌。

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個人的に楽しみにしてたのが、アイバンさんのラーメン。

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なかなかのものでした。そこから反対側の会場の奥にはちゃぶ屋の森末さんのラーメンが。

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こちらは国産小麦のゆきちからと中力粉をブレンドした麺で、麺の旨さはこちらのほうが際立っていた。けど、スープはアイバンさんの方が好みだな。

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アナウンサー小島慶子さんの司会で、料理人からのチャリティーオークション。ロマネコンティが40万円とかで落札されていました。

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ということで、大団円。佳い食を満載したキッチンワゴンが被災地を駆け回る日を楽しみにしたい。

Posted by yamaken at 14:10

2011年06月02日

これより北海道。

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ものすごい勢いで毎日が過ぎていく。先週は宮崎~熊本、北海道の釧路。今週はソウルオブ東北のシンポジウム(後で書きます。来てくださった方に感謝!)、そしてこれから札幌でホクレン関連。

写真は先週末、釧路市音別町にある、北十勝ファームの音別牧場に短角を訪ねに行った時のもの。

短角牛は岩手県がルーツだが、秋田・青森そして北海道でも生産者がいる。北十勝ファームは、繁殖・肥育一貫経営ではおそらく日本最大の規模。社長の上田金穂さん(すごい名前だ!)が言うのだ。

「やまけんちゃんはさ、自分の牛が居るところには足を運ぶんでしょ?じゃ、母牛あげるから、うちにも来てよ!」

冗談かと思ってたら本当に「ねえ、名前なんにする?登録しないといけないから」と連絡が来た。で、「べっぴん」号という名前にしてもらった。このべっぴん号にあって心から驚いた。なぜかというと、、、

 

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本当にべっぴんなのだ!

鼻筋の通った、気品のある顔立ちでしょう? 嬉しくなっちゃった。

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岩手の短角は人にあまり慣れてくれない印象だけど、この農場では人とのふれあいが多いせいか、慣れている。後ろ姿は北十勝ファームのホープ、中村ちゃん。埼玉県出身で北里大学を卒業し、牛飼いになった。

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音別では今頃、タラノメが出てきています。寒いせいか、アントシアンが発色してる。

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釧路は霧の街。とくに音別の霧は深くてしっとりしている。牧草もしっとり。

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一緒に行ってくれた本城しんのすけも短角がいる牧野の風景に満足してくれた。ちなみに音別は彼の実家がある町だ。

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彼らが牧草を食べた跡。若芽しか食べないというグルメぶりなのだ。

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上田さんの親父さんが家畜運搬車でどさんこを数頭、運んできた。

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御年80歳には見えない身のこなしとタフさである。

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まいっちゃうよね、こんな風景。

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昼飯はもちろん短角牛。

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しっかり熟成させておいた肉をスライスしてきてくれた。ご覧の通りサシが結構はいっているけれども、北十勝ファームの育て方は穀物よりもグラス(草)中心。デントコーンサイレージやビートパルプ、小麦大麦ふすまなど、北海道産の率が非常に高い。99%国産飼料である。それでこんなにサシが入るのだから面白い。しかも、ここの肉の脂は非常に軽い脂質なのだ。

スーパー関係者で関心がある人がいたらぜひ連絡ください。販売を小売りに広げたいそうです。

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ではまた、北海道に行ってきます。寒そうだなぁ~

Posted by yamaken at 12:16