米国債:格付け見通し「ネガティブ」に引き下げ…S&P

2011年4月18日 23時46分 更新:4月19日 8時12分

 【ワシントン斉藤信宏】米格付け会社大手スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は18日、米国債格付けの中期的な見通しを示すアウトルックを、これまでの「安定的」から「ネガティブ」に引き下げたと発表した。S&Pが1941年に現行の格付け制度を開始して以来、米国債の格付け見通しを引き下げたのは初めて。

 S&Pは声明で「米財政赤字が大幅に膨らみ巨額となる中、財政健全化の長期計画をめぐり米議会で与野党が合意できない可能性がある」と、見通し引き下げの理由を説明した。今後2年以内に3分の1の確率で米国債の長期信用格付けを現在の最高水準「トリプルA」から引き下げる可能性があるという。

 米財政収支は08年秋のリーマン・ショック後、大規模な景気刺激策や税収の大幅な落ち込みなどを受けて急速に悪化。財政赤字は09会計年度に史上初めて1兆ドルの大台を突破した後、3年連続で1兆ドルを突破することがほぼ確実になっている。昨年末に成立したいわゆるブッシュ減税を延長する包括減税法による税収の減少もあり、改善への道筋は見えていない。

 週明け18日のニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は、格付け見通しの引き下げを嫌気して前週末比100ドル超下落して取引が始まり、その後下げ幅は一時、240ドル超に拡大した。

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