2011年4月18日 20時54分 更新:4月18日 23時21分
文部科学省は18日、政府が「計画的避難区域」に指定することを検討している福島県川俣町内の放射線量調査で、調査した17地点のうち12地点の線量が単純計算で年間20ミリシーベルトを超える恐れがあると発表した。政府が避難区域の指定基準としているのは年間20ミリシーベルト。データは内閣府原子力安全委員会に提出しており、委員会の分析結果に従って避難区域が指定される見込み。
調査は17日午後、行った。線量が最も高かったのは山木屋境林山地区で1時間当たり線量は9.1マイクロシーベルト。単純計算で算出した1年間当たりの線量は約80ミリシーベルトとなった。この他、年間線量が20ミリシーベルトを超える恐れがあるのは▽甲鋪地区約35ミリシーベルト▽細畑山地区約37ミリシーベルト▽細畑東山地区約31.5ミリシーベルト--など。同委員会は「実際の年間累積線量の算出では屋内にいる時間も勘案し、屋外の数値の約6割が目安」と指導しているという。これに従っても境林山と細畑山、甲鋪地区の3地点で年間20ミリシーベルトを超えることになる。
また、同省は18日、同県内の先月23日から今月17日までの累積放射線量が、福島第1原発から北西約30キロの浪江町赤宇(あこう)木手七郎(ぎてしちろう)で17.98ミリシーベルトになったと発表した。都道府県に設置するモニタリングポスト(自動観測局)は前日と同様、4県で通常値を超えた。【篠原成行、日下部聡】