2011年4月18日 10時40分 更新:4月18日 10時47分
トヨタ自動車は18日、東日本大震災で操業を停止していた国内の14工場で車の生産を一斉に再開した。先行して運転を始めた4工場を含め、国内にある18のすべての組み立て工場が5週間ぶりに動き出した。これにより全車種の生産体制が整ったが、一部の部品調達はなお滞っており、生産量は通常の約5割の1日6000台程度にとどまる見通しだ。
自動車業界では、日産自動車も同日からエンジンを生産するいわき工場(福島県いわき市)での生産を再開し、正常化に向けた動きが業界全体に広がってきた。
18日に操業を再開したトヨタの工場は、元町工場(愛知県豊田市)など自社工場のほか、被災地にある子会社のセントラル自動車宮城工場(宮城県大衡村)、関東自動車工業岩手工場(岩手県金ケ崎町)などグループ企業を含む14工場。被災地の2工場は震災で工場建屋の壁にひびが入るなど設備の一部に被害が出ていた。
トヨタの工場では、設備に被害がなかった関連工場でも3月14日から車両生産を一斉に停止。点検後、ハイブリッド車「プリウス」を生産する堤工場(愛知県豊田市)など一部の工場で生産を再開したが、14工場では生産に必要な部品が調達できないため操業できない状態が続いていた。
大型連休を挟む今月28日から来月9日まで再び操業を停止し、連休明けの同10日から1カ月程度は通常時の5割程度の生産規模になる見通し。【工藤昭久】