注目のキーワード
文字サイズ

最新記事

ワールド

欧州極右

外国人より動物が大事、スイスの超排外主義

Swiss Xenophobia Running Wild

2010年12月14日(火)16時06分
高木由美子(本誌記者)

Bookmark:

印刷

[2010年12月15日号掲載]

 動物に国選弁護士を付けてやるべきか──動物の権利を大まじめに問う国民投票が行われたスイスで先週、国民投票によって外国人の重要な人権が剥奪された。

 殺人や強盗、強姦など重罪を犯した外国人犯罪者を服役後に「問答無用で自動的に」国外追放する憲法改正案が11月末、国民投票で承認された。政府が反対票を投じるよう呼び掛けたにもかかわらず、賛成は約53%で過半数に達した。

 行き過ぎだとの声も多い。スイスで生まれ育ったが国籍を持たない移民の子の場合、一度も行ったことのない祖国に送られるケースが考えられるからだ。

 国民投票は極右の国民党の発議で行われた。移民排斥を掲げる同党は、囚人の60%以上が外国人で、彼らのせいで凶悪犯罪が増えたと主張している。だが実際、外国人犯罪者を個別に国外追放にすることは現行法でも十分可能だ。

 オランダやフランスなどと同様、極右政党の躍進と外国人排斥の波が広がるスイス。豚や金魚など群れで暮らす動物の「孤立化」を禁じるなど動物の権利が数々の法律で手厚く保護されたこの国で、外国人が動物以下の扱いになる日はそう遠くない。

Bookmark:

ページトップへ

AD SPACE

Photo

アメリカの未来を映す2つの原風景

2011.06.07 : 08年に創設されたピクテ賞は、環境保護を題材とした写真を対象と…

Picture Power
詳しく見る

MAGAZINE

検証3.11

2011-6・15号(6/ 8発売)

日本を「悲しみの共同体」に変えた大震災から3カ月
見落とされた被災地の過酷すぎる現実と復興の盲点とは

  • 最新号の目次
  • 予約購読お申し込み
  • デジタル版

特集

特集一覧

WEEKLY RANKING

  • 最新記事
  • コラム&ブログ
  • 最新ニュース
  • BLOG
  • COLUMN

STORIES ARCHIVE-World Affairs

  • 2011年6月
  • 2011年5月
  • 2011年4月
  • 2011年3月
  • 2011年2月
  • 2011年1月
  • 2010年12月
  • 2010年11月
  • 2010年10月
  • 2010年9月
  • 2010年8月
  • 2010年7月
  • 2010年6月
  • 2010年5月
  • 2010年4月
  • 2010年3月
  • 2010年2月
  • 2010年1月
  • 2009年12月
  • 2009年11月
  • 2009年10月
  • 2009年9月
  • 2009年8月
  • 2009年7月
  • 2009年6月
  • 2009年5月
  • 2009年4月