節電対策への関心が高まるなか、大手電機メーカーの「NEC」と「東北大学」は家電製品を使っていない場合でも、消費してしまう「待機電力」をゼロにできる半導体を新たに開発し、数年後をめどに実用化を目指すことになりました。
テレビやパソコンなどの家電製品は、電源を切ってもコンセントをつないでいるだけで電力を消費しており、この「待機電力」が、家庭の消費電力の6%程度を占めることから、待機電力の削減が節電を進めるうえで課題になっています。こうしたなかで、NECと東北大学は共同でこの待機電力をゼロにできる新たな半導体を開発しました。待機電力は家電製品の半導体にデータを保存するために使われている電気ですが、開発された新型の半導体は、電気の代わりに特殊な小型の磁石を使ってデータを保存するため、待機電力が発生しないということです。NECは、数年後をめどにテレビやパソコンのほか、企業の情報を管理するデータセンターなどへの実用化を目指したいとしています。NECのグリーンイノベーション研究所の田原修一所長は「家庭での節電に役立つだけでなく、データセンターなど電力消費の大きいところでは、25%もの電力を削減できる見込みだ」と話し、新しい半導体に期待を寄せていました。