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・前回までの俺キュラ
自分の中の何かがハジけた…
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
|・弥那はかわいいなぁ! |
|・弥那はかわいいなぁ!! |
|・弥那はかわいいなぁ!!!|
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 ̄ ̄ ̄v ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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,'´蒼`ヽ
ハv人,人リ〉
vレ ゚Д゚ ノレ
,くii>、
く_<トハi,'i<]つ
/__/∧ヽ_ゝ
'--" .--'
――<中略>――
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rへ!,_ _r''r、ゞラ ノフ
''rラi(vヾー'′ / 7 ゙i ←特別優待チケット
V'`´ i\ ,./ フ/
/' `ン rく__,/
! ,、_ し' `゙/゙_ノ
. ヽ、 '´>> /
. \_,.-'´
イ´
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/ _ノノイ-ノノ) __人__人__人__人__人__人__人__
| ,.,.( 、ヽ'`´ ) (
ヽ ゝ` ,-'_ ) おれは並ぶのをやめるぞ! (
ヽ_ (ノヘ!(蒼| l 、、ゝ、 ) (
\ 代t、 ,=毛i r=、 ノ ) リア充ども――ッ!! (
,.-=| ゙〈_  ̄ ,.ノ〈 ) (
rl、'_‐! |こヲ /ノ|ノ゙| ⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒
/|、_ l ゙ニ´_/// ト
/ | i `"゙´_,.-'´
※あらすじの中、言葉による説明を諦めAAを使う人間がいてもいい。
自由とはそういうことだ、ってばっちゃが言ってた。
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長い列を作って門の前に溜まっているリア充共。
その脇をスルリと通りぬけ特別案内所の受付にてチケットを提示する。
チケットを見たとたん、受付のオッサンは大慌てでどこかに連絡をとりすぐに特別入場門を開けてくれた。
さすが特別優待チケット。
門を潜る前にちらりと後ろを見ると、正規の門の前で並んでいる行列の中で一組のカップルが喧嘩していた。
女の方は待ち時間がこんなにも長いと思わなかったのか、男に対しギャーギャー文句を言いいながら暴れて係員に取り囲まれている。
男の方はひたすら謝り続けているようだ。
あの調子だと土下座までしかねないなぁ、なんて考えていると男と目があった。
デートの場所の選択を間違えたことへの後悔やら並ばずに入園する俺達への疑念やらの込められたその視線に、
――ニヤァ…
「…!?」
俺はさわやかに笑顔を返した。
遠くからでもわかるほどに男の表情が歪む。
感じるのは爆発的な敵意。
「蒼真、早く行こうよ?」
「ん、ああ」
あの目…たまんねぇ!
くくくっ…恨むなら休日に彼女連れで遊園地に行こうなんて考えた自分を恨むんだな!
さてと…こちらソウマ、ドリームランドに潜入する。
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「うわぁ…♪」
「すごい…」
「ふむ…」
入園して初めに眼に入るのはドリームランドの中心であるドリームキャッスル(仮)。
正式名称はどこぞの民族言語からとったやたらと発音しにくい名前だった気がする。
ともかく湖の上に立つ巨大な西洋型の城だ。
その入口に続く橋は跳ね上げ式になっていて今は通ることができないが、
入場門から見ると角度を計算しつくされているのか素晴らしい絵になっている。
俺達が到着するずっと前から並んでいただろうカップルやらが記念写真をとっている。
前々から思っていたがどこの遊園地に行っても西洋型の城をオブジェとして掲げるところが大半なのはなぜなのだろう。
たまには日本の城を中心にしても…ソレなんて忍者村?
日本で現実からの脱却をテーマにするには西洋系で統一するのが一番ってだけなのかもしれんな。
「蒼真蒼真、どうするの?」
イツキは若干興奮した様子で聞いてくる。
軽く飛び跳ねるごとに首から下げたルーンリングが光をキラキラと反射する。
お前は西洋風の景色なんて見慣れてるんじゃないのか、なんて思わないでもない。
「アトラクションの始動までは後5分か…まずはドリームパスを買おう」
「ドリームパス?」
「ああ、アトラクション用フリーパスみたいなもんだよ。コレとドリームパスがあれば後は何も考えずに遊び回れるからな」
ピラピラと特別優待チケットを見せながら言う。
ちなみにドリームパスの購入資金は言うまでもなく有角からの金である。
なんだかんだで負い目があるのか…骨の髄までしゃぶり尽くしてやる。
「そっか…それじゃ行こうか…?」
「…どうかしたか?」
はて、何故に弥那さんはちょっぴり元気が無いのか。
さっきまで言葉の端に♪までついてたのに。
「ううん、ちょっと受験のこと思い出しただけ…」
Oh…よりによってこのタイミングで?
「模試の結果も十分だっただろうに…この休みは受験のことはすっぱり忘れて楽しもう、な?」
「うん…うん、そうだね!」
弥那は心配性だなぁ。
「そういえばふたりとも受験生だっけ?」
「ああ」
「模試の結果は?」
「志望校判定は俺がSで弥那がA、ちなみに合格ラインがB」
「へ~…弥那ちゃんって勉強できるんだね」
弥那はエヘヘとちょっと照れているとてもかわいい。
ところで俺は…?
「蒼真は…まぁいいや、早くドリームパス買いに行こうよ」
「ひどいや…」
ちょっとした自慢だったのに…
志望している大学は俺も弥那も同じ、県内で一番近い大学だ。
電車一本で行けるのがとてもいい(実家から出るつもりは欠片もない)。
先生はもっと上を目指す気はないかって言うけど(なぜか目を合わせてはくれない)、ここで十分だと考えてる。
この大学、それなりにランクは高いらしいんだが、俺としては人生二週目だしなぁ…
前世でも一応それなりのところは出てたし勉強の仕方が完全にわかってるし…あれ?
俺ってもしかしてチートオリ主じゃね?
…ドリームパス買いに行くか。
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パスを買いました。
――ゴォォォ…!
弥「キャァァァ♪」
イ「ヒャァァァ♪」
蒼「イ゙ェアアアア…!」
俺は死にそうです。
「俺はもう誰も殺さない…殺さなくて済む…」
「そ、蒼真くん大丈夫…?」
「情けないなぁ…」
お前ら元気すぎだろjk…
遊園地ならジェットコースターだと思い、ドリームパスを買って初めに乗ったらダメージが大きすぎた。
正直舐めてたぜ…ドリームツイスター…別名ナイトメアツイスターとか…
安全バーが下りた後に係員が「ドリームツイスターは別名ナイトメアツイスターとも呼ばれ…」って言い出したときに嫌な予感はしたんだ。
今はコースターの脇のベンチに座って俺の精神の安定を待っている。
「ちょっと休憩しようか?」
「ほっとこうよ、そのうち立ち直るから」
「…いや、もう大丈夫だ。あとイツキ、お前はちょっとこっちに来てコメカミを差し出せ」
弥那は優しい声をかけてくれるとてもいい娘。
君がいてくれれば俺は立ち上がれる。
だがイツキ、テメーは駄目だ。
悪い娘だからコメカミグリグリします。
「ちょ…ゴメンって蒼真!」
「フゥハハハ! 死ぬほど痛いぞぉ!」
俺はキャーキャー逃げまわるイツキを追い掛け回し、
弥那はそれを見てクスクス笑っていた。
平和に過ぎ去っていく時間。
悪魔城から生きて帰って来れてよかった。
そう心の底から思った。
…イツキを追い掛け回しているところを警備員の人に見られ注意を受けた。
見た目は金髪ロリの美少女(笑)だもんなぁ…それを追い掛け回す目つきの悪い白い男(イケ♂メン)。
親戚の子供だと説明したら訝しげな表情をされたが解放された。
納得がいかない。
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その後いくつかのアトラクションを楽しみ、お昼時ということでレストランに入った。
――ガヤガヤ…
昼時になって更に人が増えたせいか店内はそれなりに騒々しい。
「…さて、蒼真。二人きりになったところで少し話をしようか」
「ああ、そうくるとは思ってた。俺も聞きたいことあったし」
昼食を食べ終わり少ししてイツキが話を切りだしてきた。
弥那はお花を摘みに行かれたのでここにはいない。
4人まで座ることのできるテーブルでイツキと向かい合う。
「っていうかこんなところで普通に話していいことなのか?」
「大丈夫だよ。大抵の人はうわぁ痛い人がいるなぁ、くらいにしか思わないよ」
それもどうかと思うが。
「それじゃまずはコレ」
イツキが服のポケットから取り出したのは一本の紐。
「なんだこれ?」
目の前に置かれたソレを指でつまみ上げ観察する。
いくつかの細かい糸を編んで作られたミサンガのようだ。
だがそれぞれの糸から異なる魔力を感じる。
それらが複雑にからみ合って式を構成し何らかの効果を発揮しているようだ。
「すごいな…電子回路みたいだ」
「それには蒼真、君の"支配の力"を封じ込める効果がある」
へぇ…うぇ!?
「ソレの端と端を繋げると効果が出るんだけど…」
「いやいやいや…ちょっと待て、どういうことだ?」
「有角がね…蒼真に必要だって」
"支配の力"を封じ込める?
それができるなら日食の前に渡してくれればいいじゃない。
…いや、アイツの目的は魔王と混沌を切り離して宿命を断ち切ることだった。
それならあれは必要なことか。巻き込まれた方としてはたまったもんじゃないが。
「有角は蒼真にこれ以上関わってほしくないって思ってるみたい。普通に平穏に生きて欲しいって」
…わがままだな。
やっぱりアイツは少し人の感情の機微に疎いんじゃないだろうか。
仮にも5~600年生きてるってのに。
知ってしまったことに対して忘れて生きるってことは難しすぎる、人間には。
そんなことを考える間にもイツキの話は続く。
「…ソレがあれば無用な争いに巻き込まれずにすむとは思う。
でも僕は蒼真には必要ないと思ってる、むしろ蒼真はソレを着けないほうがいいと思ってる」
「…?」
必要ないまではわかるが着けてはいけないってのはどういう事だ?
have to? must?
「ソレを着けていたとしても君がドラキュラの生まれ変わりであることは変わらない。
有角がいるにしても悪意を持った者が君の前に現れないとも限らない」
真剣な表情のイツキ。
確かに有角の力はこの世界ではトップクラス、ベルモンドと並ぶほどのはずだ。
それなのに一年後、事件は起きる。
「その時手の届く範囲にあるなにかを守れなければ蒼真は間違いなく…」
「後悔する…か」
難しい話だ。
あの事件の前までは考えもしなかった。
手の届く範囲のなにか…か。
「だからソレを着けるかどうかは蒼真自身が決めて」
「…とりあえずは預かっておくよ」
――ミサンガを入手しました。
「そういえば首蔵は返さなくてもいいのか?」
ミサンガを首蔵に周りから見えないように収納しながらイツキに尋ねる。
よくよく考えると俺の非日常的なアイテムはすべて首蔵に収まっているわけなんだが。
「なにもいわれてないよ。そのまま持っててもいいんじゃないかな?」
ふむ、いい忘れたのかね。
これからは"うっかり有角"と呼ぶことにしよう。
「あとは…僕からは話すことはないかな」
「…? 本当に?」
「うん…それで蒼真の聞きたいことっていうのは?」
なにかを話そうとしていたにもかかわらず言葉を紡がずに口をつぐみ話を打ち切ったイツキに若干の違和感を感じたが、
俺は促されるままにイツキにいくつかの質問をすることにした。
「まずさっきは関わるなって言われたけどさ、あの事件が世界でどんな扱いになっているのかを教えてほしい」
「…それくらいだったら蒼真自身にも関わりのあることだし問題ない、かな?」
「とりあえず悪魔城…ドラキュラ城はどうなったんだ?」
気がついたときには外に放り出されていたので状況がわからんのですよ。
「悪魔城は崩壊して消滅したよ」
「え゛」
それって…中にいたメイドやらテスカトリポカとかの好意的な魔物たちは…
「…説明が悪かったね。悪魔城は崩壊して消滅したけどあの悪魔城として発生していた異界が消滅したわけじゃないよ」
「…? ごめん、よくわかんない」
「詳しく説明すると長くなるんだけど悪魔城はもともと"混沌(カオス)"から生み出されている異界を束ねる場みたいなものなんだ」
「???」
わけがわからない。
「すごく簡単に言うと悪魔城と現世を繋ぐ場所だけがなくなった、って考えればいいよ…ちょっと本質は違うんだけど」
だいたい把握した。
だがそれよりもイツキのほうが頭がいいみたいな雰囲気になっているのが気に食わん。
「ともかくとしてつまるところ…」
「心配しなくても蒼真と仲良く過ごしたメイドさんたちや、蒼真が白濁した粘液でベチャベチャにした娘や、
チュパカブラのソウルで"ズキューン"した娘たちは無事だよ、よかったね」
「ちょっと待てや、少なくとも最後のはしてねぇぞ!」
心当たりはいくつかないこともないが、その言い方は俺の扱いがあまりにも酷すぎるでしょう?
そう思いニヤついているイツキに正義の鉄槌を下そうと立ち上がろうとしたとき、
「…最後の以外はしたの?」
斜め後ろからの声に中腰で体勢が固まる。
振り向けない、振り向いてはいけない。
俺のバカ、俺の迂闊…
説明の途中でイツキの視線が俺の背後に逸れたことに気がついていれば…
「詳しく教えて、蒼真くん?」
弥那さん、目が笑ってないです。
昼食は俺のオゴリになった。
話の後のデザート代も含めて。
バイバイ、僕の一葉さん。
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・オマケ
「蒼真くんはなにをしたのかな?」
「なにもしてないです」
「蒼真くんはなにをしたのかな?」
「…魔物と命をかけて戦いました」
「蒼真くんはなにをしたのかな?」
「…自分より弱い魔物と戦って倒しました」
「魔物ってどんなものなのかな?」
「…人間の姿をしていました」
「魔物ってどんなものなのかな?」
「…人間の女の子の姿をしていました」
「魔物ってどんなものなのかな?」
「…人間の美少女に見える魔物でした」
「どんなことをしたのかな?」
「…ソウルを使って戦いました」
「どんなことをしたのかな?」
「…相手の動きを止めるために蜘蛛の糸を発射しました」
「どんなことをしたのかな?」
「…白濁した粘液を体中に撃ちこみました」
「それでないといけなかったのかな?」
「…そんなことはありません」
「…蒼真くんの趣味なのかな?」
「え…」
「蒼真くんはそういう趣味なのかな?」
「………」
「お待たせしました、"グレートドリームパフェ"になります。こぼれやすくなっておりますのでご注意ください」
「ほ、ほら弥那ちゃん! はやく食べないと崩れちゃうよ!」
「…えっ? あ、うん、そうだね」
「…蒼真、なんか…その…ゴメン」
「…絶対に許さない、絶対にだ」
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・ミサンガ New Item
魔力を持った糸で編みあげられた特殊なミサンガ。
高度な技術により装着者の魔力を利用して何らかの効力を発揮する。
なんども呼んでいるとミンサガになったりする。
やっとこさ設定の復元が完了しました。