たき火でお湯を沸かしながら、携帯電話を充電できる「発電鍋」を、ベンチャー企業「TESニューエナジー」(大阪府)と産業技術総合研究所が開発、13日に発売した。東日本大震災で携帯電話が充電できずに困っている人が多いため、商品化を早めた。
電気が流れる物体では温度差があると、電圧が生じる原理を応用した。
鍋本体は市販品で直径は16センチ。外側底面に温度差を電力に変える装置(熱電モジュール)を取り付け、取っ手からUSB用のケーブルが延びている。水を入れ火にかけると、底の外側は550度、内側は100度となって、最大15ワットが得られた。3~5時間で携帯電話をフル充電できるという。同社の藤田和博社長は「風呂を沸かす際に使うドラム缶に使えば出力を高められる。災害時の緊急発電機も開発したい」としている。
発電鍋は2万3000円(税抜き)。問い合わせは同社(072・751・1678)。【安味伸一】
毎日新聞 2011年6月13日 13時03分(最終更新 6月13日 15時17分)