「せんせー、あかちゃんうまりぇるのぉー?」
「うん。ナルトっていうんだー。楽しみだなぁ。」
「ふーん…ねぇ、ねぇ、」
「うん?どうしたの?」
「あかちゃんうまりぇるのにぃ、なんれ、せんせーのお腹ぺったんこなのぉ?」
「アハハハッ!!ちょ、ま、ったら本当にさぁ、もう…」
「な、なんれわらうのぉ!せんせー、いぢわる!!」
それでも笑いながら、ミナトは優しい手つきで幼子の頭を撫でる。
今は各地で戦争が起こり、忍びが足りないため、どんなに幼い子供でも戦地へと送り込まれる。
このも例外ではない。
両親は優秀な上忍であったが、2日前に殉死した。
まだ幼いには理解出来ていないのか、未だに任務中だと思い込んでいる。
それを良い事に、上層部はに親の分の任務をやれば、親が早く帰ってくると嘘を教え、幼い体ではこなせない様な任務を与えるのだ。
そのやり方には些か憤りを感じるが、そうするしか里の治安が守れないのもまた事実である。
ミナトは申し訳ないような気持ちで、の頭を撫でるのを止め、空を見上げた。
もしも、この長い戦争に終止符がうたれて、クナシが無事にナルトを産んでくれたら…
そうしたら、を養子として引き取ろう。
傷だらけの小さな手を、ぎゅっと握った。
それから2カ月。
九尾の襲来から2日前の夕暮れのこと。
は、大蛇丸によって誘拐された。
見張り役の倒れる音が聞こえ、は意識を浮上させる。
どうやらいつの間にか寝てしまっていたらしい。
暗い牢獄の中で、首を左右に動かし、状況を確認する。
「お主がか?」
「おいちゃん、だぁれ?」
「それよりも、。この巻物に触れてくれ。」
「なんれ?」
「遠い、安全な場所に行くためさ。」
「でも、せんせーにおこられちゃう。」
「大丈夫。すぐ帰ってこられる。」
「ほんろ?」
「あぁ。でも、木の葉に関わることを言わなければの話だ。」
「うん、まもれるぅ!」
その言葉に男は微笑み、ゆっくりと巻物をに握らせた。
こうして、1つの物語が始まる、、
