(CNN) 欧州で腸管出血性大腸菌O(オー)104の感染が広がっている問題で、ドイツ保健当局は12日、新たに4人の死亡が確認され、大腸菌による死者が35人となったと発表した。
世界保健機関(WHO)などによると、これまでの死者はスウェーデンの1人を除き、すべてドイツ国内で報告された。欧州疾病対策センター(ECDC)による12日時点のまとめでは、感染者は3256人に上り、このうち812人が重度の腸疾患を発症。WHOは、感染者は5人を除く全員がドイツ在住か、3~4日とされる潜伏期間内にドイツを訪れていたとしている。
ドイツ当局は、同国北部ニーダーザクセン州の農場で生産されたモヤシなどのスプラウト(新芽野菜)が感染源となった可能性が高いとして、この農場から出荷された食品すべての回収を指示した。ただ、同州農業当局は12日、菌は従業員が持ち込んだのか種子に付着していたのかなど、農場が汚染された経路は依然として明らかになっていないと述べた。
当初感染源とされたスペインをはじめ、フランス、オランダ、ベルギーの農家が補償を求めている問題では、欧州委員会が、欧州連合(EU)から約3億ドル支出する案を提示した。ただ、請求額はスペインだけで約6億ドルに上っている。