役員の労災保険はどうすればよいか?
Q
接骨院経営しています。介護保険の普及にともない支援してくれる病院もあるので事業は順調に伸びています。従業員も10名ほどになり法人にしました。この春から柔整師の資格をとった息子も手伝ってくれることになりました。自覚を高めるため息子を役員にしました。外に出かけることも多くもし息子が労災事故に遭った時、労災保険は適用されるでしょうか。
A
一般的には、業務執行権があると認められる取締役は労働者と認められないとして労災保険は適用されません。実際に息子さんが労働者として扱われる法人の役員かどうかは事故が起きるまで労働基準監督署は,明言しません。取締役であっても賃金台帳,出勤簿をキチンと付け労働者と同じように働いている場合は労働者として扱われ労災保険も適用されます。しかし判断が難しく労働基準監督署でも担当者によってまちまちです。したがって、私としても絶対に労災保険が適用されるとは断言できません。
このような時、私はむしろ労災保険の「特別加入」をお勧めします。中小企業の場合労働保険の事務手続きを労働保険事務組合に委託すれば経営者も労災保険に特別に加入することが出来ます。こうしておけば、法人の役員でも、たとえ労災事故が起きても労災保険が適用されます。つまり治療費はただになり,休業補償も支給され、万が一のときは,障害保障も遺族補償もあります。
保険料は自分で決めた給付基礎日額の範囲(3,500円から20,000円)で決められます。例えば,1万円と決めれば1年の賃金総額は365万円となり保険料は整骨院の場合は保険料率は千分の5ですから年間18,250円となります。こうしておけば治療費はただになり、休業補償は日額8,000円となります。