首を痛めて別メニュー調整が続いていた名古屋グランパスのDF千代反田充(31)が12日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで3週間ぶりに対人プレーの練習を行った。医者の許可が下りてプレー制限のなくなった千代反田は15日の新潟戦(瑞穂陸)から登録メンバー入りする見込みとなった。
体は元気なのに、プレーできないもどかしさが、ようやく消えた。ストイコビッチ監督が見守るなか、千代反田は、三都主、永井らとともにミニゲーム。球際の攻防に体をなじませた。
5月21日の柏戦で、ヘディングの競り合いで脊髄を負傷。予想以上に復帰が長引いた。痛みがなくなっても医者から、再び脊髄を痛めたら、普通の生活さえできないリスクがあることを伝えられた。
「早く戻りたいけど、そこまで言われたら」。千代反田は警告に従うしかない。6月1日に結婚する直前のことだった。観察期間を経て、10日の検査でようやく接触プレーもOKになった。当初は、負傷から1カ月後の20日に検査が予定されていたが、試合が立て込む時期に「そんなに待っていられない」という千代反田の希望に、予定を繰り上げて、最終チェックを通過した。
今季、グランパスが序盤から不安定な戦いを続けたのは、センターバックが相次いで故障したことも理由の1つ。今は、闘莉王、増川が復帰して表面上は問題ないが、2人に肉薄する力を持った千代反田が戻れば、チームとしての安定感はさらに増す。フィジカル、技術的なメニューは続けてきたので、ブランクはそれほど大きくない。「行けと言われれば、いつでも」。15日の新潟戦へ心の準備もできている。 (木本邦彦)
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