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【大リーグ】

シルバーマン記者 松坂を語る 本紙で執筆中ボストン地元紙記者

2011年6月13日 紙面から

 10日(日本時間11日)に右肘内側側副靱帯(じんたい)の腱(けん)移植手術を受けたレッドソックスの松坂大輔投手(30)。地元紙ボストンヘラルドのレッドソックス担当17年目のベテランで、本紙で執筆中のマイケル・シルバーマン記者は松坂の手術、長期離脱をどう感じたのか、その思いを語ってくれた。

 私は4年半にわたって松坂を追い掛けてきた。彼の記事を書くことが終わりを迎えたわけではないが、約12〜15カ月を要するリハビリの間は実に静かになるだろう。来季終盤にチームの一員として再びマウンドに立つかもしれないし、彼自身もそのチームに貢献したいという決意を語っていた。彼の言葉と決心に異を唱えるつもりはない。

 しかしながら、ここ数日、私は松坂について、ほのかな悲しみを抱いていた。

 私が個人的に悲しかったのは、松坂が直面した手術自体のせいではない。ときには、手術前よりも素晴らしいパフォーマンスを見せる選手もいるのだから、松坂の野球人生は終幕からは程遠い。とはいえ、彼の運命は五里霧中で、われわれがたどれるのは彼の過去だけ。何より、レッドソックスの一員としての成績は、物足りなかったことが悲しいのだ。

 その理由は「日本人投手は大リーグで高いレベルのパフォーマンスを維持できない」というこれまでの米国での“固定観念”を、松坂が打ち破れなかったからだ。毎シーズン、どこかで不安定さを露呈したばかりでなく、メジャー1年目の2007年(15勝)と2年目の08年(18勝)の成功を、09年以降の2年半(計16勝)では繰り返せなかった。

 私は野球記者として、ダイヤモンドにおける真の偉大さを心から目にしたい。そして、そんな偉大さを松坂からもっと見られるだろうと思っていた。ずっと以前に私が学んだのは、松坂の最高の投球は予測不可能であり、かつめったにないということだ。そして、“マツザカ・マジック”を次はいつ見られるのか、と気が遠くなるほど待ち続けたことは、決して楽しいとは言えない経験だった。

 ときには入団時の高い期待に応え、広告や投資に見合うと思わせるような特別な試合、特別な瞬間を見せることもあった。だが、期待に見合わない試合が多すぎた。そして、今の松坂は、マウンドに上がる機会さえ完全に閉ざされている。それが少し悲しいのだ。 (訳・廣田学)

 

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