社会メニュー

ここから本文

社会社会のRSS

ワンジルさんに他殺有力説 傷は「殴打痕」 (2/2ページ)

2011.6.13 05:04
操作メニューをスキップして本文へ
ワンジルさんに他殺有力説 傷は「殴打痕」

ケニア中部ニャフルルにある実家近くの農場に埋葬されるサムエル・ワンジル氏の棺。その「死」をめぐっては、なお論争が続きそうだ (ロイター)【フォト】

 ケニアの英雄、ワンジル氏の「死」をめぐって、再び論争勃発の雲行きとなってきた。

 AFP通信などによると、ワンジル氏が酔って自宅2階のバルコニーから転落死(現地時間5月15日夜)。地元警察は「事故死」で処理しようとしていたが、ワンジル氏の母親、アンさんが「ワンジルは嫁に寝室で殺された後、バルコニーから投げられた。あの高さから落ちて死ぬはずがない」と主張。これを受けて検視が行われていた。

 その結果が11日(日本時間12日)までに公表され、病理学者3人のうち2人が「ワンジル氏の死亡原因は後頭部への強力な殴打によるもの」と結論付け、地元警察の捜査結果を否定した。

 また、ひざと手に残った傷口は、その形状などから、ワンジル氏が顔を下にして落下したことを示しており、「後頭部の傷は落下によるものではない」としている。つまり、検視結果は「他殺有力説」を唱えた。

 地元警察署長のジャスパー・オンバチ氏はこれまで、事件当夜、帰宅したワンジル氏の妻、テレザ・ニェリさんが、ワンジル氏が夫妻の寝室でバー勤務の友人女性と一緒にいるところを見つけ、怒ったニェリさんは部屋にカギをかけ立ち去った。それを追いかけたワンジル氏は、泥酔状態で自分が2階にいることも忘れ、ニェリさんを止めようと飛びだしたバルコニーから転落死した−との立場をとってきた。

 そしてオンバチ氏は、同日もマスコミの取材に「捜査は継続中だが、これまで通り、初動捜査の結果は、彼が偶発的に転落したことを示している」と検視結果を否定、「事故死」に改めて自信を示した。

 そんな騒ぎの中で同日、自宅のあるケニア中部ニャフルルで、ワンジル氏の葬儀が営まれた。

 会場は幼少の頃にワンジル氏が練習を積んだ陸上競技場で、アテネ、北京五輪女子マラソンで銀メダルに輝いたキャサリン・ヌデレバ(38)や男子5000メートルのスペシャリスト、ベンジャミン・リモ(36)ら同国の有力ランナー、陸上連盟幹部ら“国葬級”ともいえる数千人が参列。ワンジル氏の棺は、実家近くにある家族の農場に埋葬された。

(紙面から)



企画特集

注目サイト