原発

  • author: kotakotaokota
  • 2011年06月12日

昨日全国規模で行われた反原発デモは参加者も非常に多かったそうで、如何に国民の中に原発・エネルギー政策への関心が高いかを物語るものだと思います。現実問題として福島原発の惨状を見ていながら、従来語られてきた「安全」を無条件に信じ続けている国民は皆無でしょうし、原発に変わる次世代のエネルギー開発が「将来」の日本にとって必須条件になった事は間違いないところです。

さて、何事によらず「コスト」が高い日本ですが、電力事情もまた同様であり、過去において電力料金の高さを原因として日本の産業界から無くなってしまった分野も「アルミ精錬」など幾つかあったと思います。 それでも尚再編成が必要なほどの数が存在する日本のアルミ生産メーカーもなかなかにしぶといですし、携帯電話の筐体用高強度材・自動車や航空機用の開発など世界をリードする日本製造業の技術的優位とそれを支える努力や技術の蓄積を垣間見る事ができます。

今回非常な盛り上がりを見せる反原発デモですが、その主張の中の、「全ての原発の即時停止」については筆者として反対せざるを得ません。高品位な電力の安定的供給は日本の産業界にとって必要にして不可欠の要素ですし、「安定的」供給とは「ぎりぎり」の概念とは真逆なものであるからです。また、今回の福島の事象で「技術的未成熟」をその理由として挙げてる事にも、であるとすれば現在技術的に可能な安全装置を三重にも四重にも、必要であれば数十であろうと増やせば良しとする筆者の現実的立場とは異なります。

何事に於いてもドラスチックな政策的転換を計ろうとすれば、新旧における過渡期が必要であり、その事は例の政権交代で某民主党が掲げた外交内政上の急転換が全てと言って良いほど頓挫している現実を見ても明らかではないでしょうか。

原発問題でのハードランディングは避けなければなりませんし、かと言って「ハンニチ左翼」が指摘するところの「労働者の被爆」の上に成り立った原発という問題提起は、このところ明らかになった東電の体質を見れば保守側としても正面から受け止め、自らの思考や主張に反映させる必要があるだろうと考えています。

しかしながら、久しぶりに手に入れた「大衆運動」としての反原発運動を「反資本主義」「反成長」「階級的労働運動」果ては「階級的課題」という概念、あるいは「闘争」という概念に落とし込もうとする左翼には断固反対です。また、どこぞの「ファンクラブ」 のように、味噌も糞も一緒くたにして・・・・つまり、階級闘争に収斂せんとする左翼と一般参加者・・・・を区別もせずにカウンターを仕掛けるような馬鹿げた行為にも同時に断固反対します。

今回カウンターを指示した「ファンクラブ」会長さん、指導者としても社会運動家としても失格ですよ。反原発デモに真面目な動機で参加している人達は本来保守活動にも動員できる可能性を持っている事を完全に見落としていますし、今回のカウンターなどハンニチ左翼を見た「パブロフの犬」領域から一歩も成長していませんね。

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