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【アニメ】『まどか☆マギカ』の脚本家・虚淵玄「オッパイと爆発にしか興味がなかった」

週プレNEWS 6月12日(日)23時19分配信

“願いをひとつだけ叶える”ことを条件に、魔法少女になった女のコたちが過酷な運命と戦うアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』。可愛らしいキャラクターのイメージとは真逆のダークでハードボイルドなストーリーが話題を呼び、先頃発売されたBD第1巻はTVアニメ史上最高の初動売り上げを記録。社会現象となった。

 そんな『まどか☆マギカ』を生み出したのが、全話の脚本を担当したシナリオライターの虚淵玄(うろぶち・げん)氏。もともとはシナリオライターではなく小説家志望だったという。

「ただ、人生がどうのとか社会がなんだとかいう“文学”は、若い頃からまったく読みませんでした。やっぱり、映画も小説も“オッパイと爆発”の出てくるエンターテイメントじゃなきゃまるで興味を持てなかったので(笑)、今でいうライトノベルみたいなものをプラモデル雑誌の白黒ページで読んでいました」

 その影響か、これまで虚淵氏が手がけてきた“美少女もの”と呼ばれるジャンルのゲームやアニメには頻繁に銃や車が登場する。

「僕のなかでは、イカしたお姉ちゃんに拳銃を持たせるのは当たり前の感覚だったんですが(笑)、それが常識破りだったみたいで。“まどか☆マギカ” にも武器がたくさん登場しますが、あれは蒼樹さん(キャラクター原案の蒼樹うめ)も僕も当時『モンスターハンター』にハマっていたので、お互いの共通言語として弓とか剣とか鉄砲を脚本に入れたいということなんです」

 また、虚淵氏は制作スタッフに常々、「キャラクターが死ぬからといって悪い物語とは限らない」と語っているという。絶望的な状況下で、時に命を落としながらも戦う少女たちを描いた虚淵氏は、震災後を生きる若者たちにこうメッセージを送る。

「絶望っていうのはいつだってあるものなんです。原発事故が起こる前も、地下鉄サリン事件や9・11のたびに『ああ、世の中終わりかぁ』と僕らは思ったわけです。しかし、今すぐ死ぬという状況ではないんだったら、少なくとも今日は何かできるじゃん、と言いたいですね。絶望とか死というと恐ろしいものだとみんな思っているけれど、要は“人生のエンディング”のことなんです。そのエンディングに向かって伏線は多ければ多いほどいい。明日死ぬかもしれなくても、今日やっていることを『人生最期の日』のための伏線だと思えば、毎日が輝くと思いますよ」

 続編については、「やってくれ」とは言われているものの、今は頭を悩ませている最中と虚淵氏。それ以外にも、2012年末あたりをメドにいくつかのアニメ作品を届ける予定だそうだ。

(取材/西中賢治、撮影/山形健司)

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最終更新:6月12日(日)23時19分

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