2011年6月12日21時41分
東京電力は12日、福島第一原発の地下水や周辺の海5カ所から、放射性ストロンチウムを検出したと発表した。海では基準の濃度限度の240倍の地点もあった。ストロンチウム90は半減期が約29年と長いうえ、体内に入ると骨にたまる傾向がある。
これまで原発敷地内の土壌からは検出されていたが、地下水から見つかるのは初めて。5月18日に採取した1号機付近の地下水からは、ストロンチウム89が1立方センチあたり0.078ベクレル、90が0.022ベクレル検出された。2号機付近の地下水は89が19ベクレル、90が6.3ベクレルだった。原発事故で放出され、雨水などとともに空気中や地表から流れ込んだとみられるという。
5月16日に採取した1〜4号機の取水口近くの海水でも、ストロンチウム89が基準の濃度限度の26倍、90が53倍を検出。2号機取水口付近ではそれぞれ67、117倍、3号機取水口付近では80倍、240倍を検出した。
福島第一原発の事故から日を追うごとに、水俣で問われ続けたこの国の「病巣」が次々と浮かび上がる。水俣病患者に寄り添って問題提起を続ける原田正純医師に聞いた。