韓国軍:「訓練所の医療水準は刑務所以下」

 今年4月に死者を含む3人の脳髄膜炎患者が出た論山陸軍訓練所(忠清南道)には、1万3000-1万7000人の兵力が常駐している。訓練兵1万-1万4000人や教官ら「基幹将兵」3000人が集団生活を送っている。

 軍医官は教育連隊(計7連隊)別に1人ずつ7人、訓練所直轄の地区病院に所属する23人(専門医21人、一般医2人)など約30人がいる。軍医官1人当たり500人の兵士らの健康を預かる状況だ。地区病院の患者収容能力はベッド50人分にすぎない。

 論山陸軍訓練所での生活を経験した予備役将兵は、訓練所の医療水準に不満を漏らしている。今年4月に同訓練所で脳髄膜炎を起こして死亡した訓練兵(19)は、夜間行軍後に高熱を訴えたが、連隊の医務室を訪れると、軍医官は診療すらせず、解熱鎮痛剤2錠の処方をしただけだった。そうした事実が明らかになるや、インターネット上では「刑務所の医務室以下だ」という非難の声が上がっている。

 軍当局も脳髄膜炎のような伝染病の診断、予防には限界がある点を一部認めている。訓練所関係者は「脳髄膜炎の判定は、現在の訓練所の医療施設や設備では事実上不可能で、脳髄膜炎の疑いとして、民間病院に診断を依頼しなければならないのが実情だ」と述べた。

崔慶韻(チェ・ギョンウン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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