譲れない思いは誰にだってある。
俺には法曹になる夢があり、それは誰にも譲れない。
今まで生きてきて経験した全てが将来の俺にとって糧となり、勇敢な法律家とし
て育ててくれる。



司法試験に落ちたとしても、それは国家が決めたルールで、世間が俺を法曹と認
めればそれはもう法曹であって、俺を法曹になることを誰も邪魔できない。
法律を使って弱者を保護する。それをするために国家が制限する理由がどこにあ
るのか。
そうずっと思ってきた。
でも、現実は試験に合格しないと世間は俺を認めてはくれない。法律家にならし
てくれない。

それに昨日気付いた。



今まで、人生で苦労したことは一度もなかった。
小学校も中学校も全部、高校も大学だってロー入試も、失敗したことはない。
嫉まれる人生そのもの、エリート街道まっしぐらだった。


司法試験の世界に足を突っ込む前までは何もかも順調だった。


なぜ…


なぜ司法試験の世界に入ったのか、ここ数年自問自答することも多くなっていた

色々あった。この世界の汚い部分を全身に浴びて汚染されてしまった。

汚い汚い世界。

心の中がよどんで、にごって、毎日楽しくなくて、何をやってても勉強のプレッ
シャーと見えない力が背後にいて、心から笑えるときが失われていた。
人間とはいえない。
あのときエリート街道から外れなければ…
他の受験生と比べて、慶応や法務省とも戦わなければならず、精神的にも削られ
ていった。
何度も諦めようと思った。


でも、譲れない思いが俺にはあるんだって認識させてくれた5年間だったと思う


たくさん怒り、たくさん学び、たくさん成長した。

人生そんなときがあってもいいかもって今なら思える。
こんな気持ちになれるとは思わなかった。
ブログを書いている手が今も笑ってる。


今日バイトから帰って、親がリビングに置いた通知ハガキを開いて、長い戦いが
終わったんだなって思った。

もう適性試験を受ける必要ないんだなって思って、友達に片っ端から連絡した。





飲み会がしたい。






司法試験受かりました。