東京電力福島第一原子力発電所の4号機では、使用済み燃料プールで循環型の冷却システムを構築するのに必要な配管が爆発で損傷したため、再検討を迫られていて、来月中の稼働を目指すとしていた計画は先行きが不透明となっています。
福島第一原発4号機の使用済み燃料プールでは、水温が80度以上と高い状態が続いていて、特殊車両による注水では十分に冷却できないことから、東京電力は、2号機と同じように、プールの水を冷やしてから戻す循環型の冷却システムの構築を目指しています。ところが、10日、プールのある原子炉建屋の4階に事故後初めて作業員が入ったところ、爆発で壁に大きな穴が開き、その近くでは冷却システムの構築に必要な配管がねじ曲がっていることが分かりました。また、機器や設備が軒並み壊れて、床にはがれきがひどく散乱し、現場周辺での作業が容易ではない状況も明らかになったということです。損傷を受けた配管を直すのはかなりの困難が予想されるほか、ほかに使える配管があるのかどうかも今のところ分かっておらず、東京電力は冷却システムの構築に向けた再検討を迫られていて、来月中にシステムの稼働を目指すとしていた計画は先行きが不透明となっています。