東京電力福島第一原子力発電所では、たまり続けている高濃度の放射性物質に汚染された水を、国内外のメーカーの技術を取り入れた装置で浄化する計画です。東京電力は、およそ1週間後に装置を稼働させたいとして、動作の確認などを急いでいます。
福島第一原発では、高濃度の汚染水が原子炉建屋やタービン建屋の地下などに合わせて10万5000トン以上たまっているとみられ、原子炉への注水によって、1日500トン余りのペースで今も増え続けています。東京電力は、汚染水から放射性物質などを取り除いて浄化する装置を稼働させ、1日に1200トン程度処理し、放射性物質の濃度を下げたうえで仮設のタンクに保管する計画です。この装置は、放射性のセシウムを吸着させたり、特殊な化学物質で放射性物質を沈殿させたりする、国内外のメーカーの技術を取り入れた、主に4つの装置で構成されています。8日は、アメリカのメーカーが開発した放射性のセシウムを吸着させる装置で制御板の機能を確認したり、フランスのメーカーが開発した放射性物質を沈殿させる装置でポンプの動作の確認するなどの作業を進めています。東京電力によりますと、これまでにトラブルなどは起きていないということです。東京電力は、およそ1週間後の今月15日前後から装置を稼働させたいとしていますが、稼働が遅れれば、高濃度の汚染水に対する当面の有効な手だてがなくなるだけに、準備を急ぐことにしています。