東日本大震災 3月15日
東日本大震災 3月15日
東日本大震災で本州と物流分断 調達困難 操業や営業停止相次ぐ
(2011/03/15 06:25)
東日本大震災に伴って物流ルートが完全復旧しないことで、道内各地の企業に影響が広がっている。本州からの部品調達が困難になったことで、機械関連の工場などが操業を一時停止する動きが出始めているほか、本州からの原料調達ができなくなり、一部の外食チェーンは道内店舗の営業休止を決めた。混乱はしばらく続きそうだ。
道内と本州を結ぶフェリーとJR貨物のルートはところどころで分断されている。
フェリーは12日に函館−青森で運航を再開するなど復旧は進みつつある。しかし、苫小牧−仙台−名古屋など太平洋側の航路は運休が続いている。このため現在は、小樽−舞鶴、苫小牧−敦賀など運航中の日本海ルートが主力になっている。普段は太平洋航路を利用するトラックが日本海側に殺到しており「車両輸送が満車状態」(運航会社)という。
JR貨物は道内は通常運行しているものの、青函は運休。東青森から仙台にかけてなど、東北地方は線路の安全確認が済むまで運行できない。正常化には、なお時間がかかる見通しだ。
本州からの原材料調達が困難になり、道内工場の生産にも影響が出始めた。14日から操業停止しているトヨタ自動車北海道(苫小牧)は16日まで、いすゞエンジン製造北海道(苫小牧)も18日までの操業を停止を継続。王子製紙苫小牧工場(苫小牧)も14日、専用船での首都圏向けの出荷が滞っていることから、新聞用紙を造る抄紙機2台を停止した。
自動車用半導体製品メーカーのデンソーエレクトロニクス(千歳)は14日、納入先のトヨタ自動車などの生産ストップに伴い、操業の約3分の2を停止した。海外向けの製造は継続。仙台からの部品が調達できず、今後の見通しは立たない。
チョーク製造大手の日本理化学工業美唄工場は、福島県から原料の炭酸カルシウムの供給が止まり、手持ちの原料は2週間分ほどに減少。半導体集積回路(IC)製造のアナセム(千葉県船橋市)の岩見沢工場も本州のメーカーからの樹脂などの材料が購入できなくなったため、15日にも今後の稼働を停止するかを判断する方針だ。
電子部品製造の東芝ホクト電子(旭川)は宮城県内のOA機器製造会社に業務用の写真プリンター部品を納品しているが、この会社が操業停止となったため、「部品を出荷するかどうか様子を見ている」状況という。
また、北海バネ(小樽)は、11日に東北や関東の顧客向けに発送した緩衝用バネや輸出用建機の部品の行方が分からなくなり「見つからなければ数百万円の損害」になるという。主力の農機具用バネは4月から生産のピークとなるが、本州からの材料供給が途絶えており「来月以降も材料が入らなければ、操業停止も考えなければ」と表情を曇らせている。
道外からの材料調達ができないことを理由に、一部の外食チェーンでは、道内の営業休止などを検討する動きが出ている。
大手外食チェーンのすかいらーく(東京)グループで、道内24店を展開するレストラン「ガスト」は、仙台工場から輸送していたハンバーグやシチューなどが届かなくなったため、近く道内全店の営業を休止、「関西など他の工場から調達する方法を探り早期再開を目指す」(広報)。道内120店の居酒屋チェーン「つぼ八」も、魚介類を中心に東北地方からの仕入れが多く、「このまま物流が回復しなければ、一部のメニューは出せなくなる」(北海道支社)と懸念している。
道内農産物などの本州向け出荷にも影響が出ており、北見産のタマネギは9日と10日に送った道外向けが地震のため貨物列車が東北地方を運行できなくなり道内や青森付近まで引き返した。
ジンギスカンや道内銘菓を扱うインターネットサイト「北海道ギフトバザール」を運営しているマツオ(滝川)には14日のホワイトデーを前に菓子の注文が集中したが、約300件が発送不能になるなどの支障が出た。水産加工業の布目(函館)も看板のイカの塩辛などが東北へ出荷できなくなったほか、「関東や関西への出荷も延着はまぬがれない」という。
道内と本州を結ぶフェリーとJR貨物のルートはところどころで分断されている。
フェリーは12日に函館−青森で運航を再開するなど復旧は進みつつある。しかし、苫小牧−仙台−名古屋など太平洋側の航路は運休が続いている。このため現在は、小樽−舞鶴、苫小牧−敦賀など運航中の日本海ルートが主力になっている。普段は太平洋航路を利用するトラックが日本海側に殺到しており「車両輸送が満車状態」(運航会社)という。
JR貨物は道内は通常運行しているものの、青函は運休。東青森から仙台にかけてなど、東北地方は線路の安全確認が済むまで運行できない。正常化には、なお時間がかかる見通しだ。
本州からの原材料調達が困難になり、道内工場の生産にも影響が出始めた。14日から操業停止しているトヨタ自動車北海道(苫小牧)は16日まで、いすゞエンジン製造北海道(苫小牧)も18日までの操業を停止を継続。王子製紙苫小牧工場(苫小牧)も14日、専用船での首都圏向けの出荷が滞っていることから、新聞用紙を造る抄紙機2台を停止した。
自動車用半導体製品メーカーのデンソーエレクトロニクス(千歳)は14日、納入先のトヨタ自動車などの生産ストップに伴い、操業の約3分の2を停止した。海外向けの製造は継続。仙台からの部品が調達できず、今後の見通しは立たない。
チョーク製造大手の日本理化学工業美唄工場は、福島県から原料の炭酸カルシウムの供給が止まり、手持ちの原料は2週間分ほどに減少。半導体集積回路(IC)製造のアナセム(千葉県船橋市)の岩見沢工場も本州のメーカーからの樹脂などの材料が購入できなくなったため、15日にも今後の稼働を停止するかを判断する方針だ。
電子部品製造の東芝ホクト電子(旭川)は宮城県内のOA機器製造会社に業務用の写真プリンター部品を納品しているが、この会社が操業停止となったため、「部品を出荷するかどうか様子を見ている」状況という。
また、北海バネ(小樽)は、11日に東北や関東の顧客向けに発送した緩衝用バネや輸出用建機の部品の行方が分からなくなり「見つからなければ数百万円の損害」になるという。主力の農機具用バネは4月から生産のピークとなるが、本州からの材料供給が途絶えており「来月以降も材料が入らなければ、操業停止も考えなければ」と表情を曇らせている。
道外からの材料調達ができないことを理由に、一部の外食チェーンでは、道内の営業休止などを検討する動きが出ている。
大手外食チェーンのすかいらーく(東京)グループで、道内24店を展開するレストラン「ガスト」は、仙台工場から輸送していたハンバーグやシチューなどが届かなくなったため、近く道内全店の営業を休止、「関西など他の工場から調達する方法を探り早期再開を目指す」(広報)。道内120店の居酒屋チェーン「つぼ八」も、魚介類を中心に東北地方からの仕入れが多く、「このまま物流が回復しなければ、一部のメニューは出せなくなる」(北海道支社)と懸念している。
道内農産物などの本州向け出荷にも影響が出ており、北見産のタマネギは9日と10日に送った道外向けが地震のため貨物列車が東北地方を運行できなくなり道内や青森付近まで引き返した。
ジンギスカンや道内銘菓を扱うインターネットサイト「北海道ギフトバザール」を運営しているマツオ(滝川)には14日のホワイトデーを前に菓子の注文が集中したが、約300件が発送不能になるなどの支障が出た。水産加工業の布目(函館)も看板のイカの塩辛などが東北へ出荷できなくなったほか、「関東や関西への出荷も延着はまぬがれない」という。
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