河村たかし名古屋市長による事業の一時凍結で工事が遅れ、資材保管などの費用負担が生じたとして、「陽子線がん治療施設」整備事業を受注した日立製作所が、市に約4億8600万円を追加請求したことが10日、分かった。
市によると、同施設は平成24年度中の開業を目指し、総事業費は約245億円。前市長時代の20年12月に事業費などについて日立側と契約を締結した。しかし、21年4月に就任した河村市長は「患者数など事業計画の見通しが甘く、採算性に問題がある」として、同9月に計画を凍結。公開討論会などで建設を求める声が多かったため、22年1月に凍結を撤回したが、21年11月に予定していた着工は22年3月にずれ込んだ。
日立製作所は「凍結期間中の資材の保管費や人件費に加え、工事期間が延びたことで追加費用がかかった」と説明している。
河村市長は10日、「当初の契約額で対応をお願いしたい。払うつもりはない」と述べた。