3・27三里塚 被災地支援・反原発の決意固く
“怒りを爆発させて闘う”
第3誘導路粉砕へ840人がデモ
(写真 被災地の労働者・農民の苦闘と怒りを胸に、840人の参加者は団結ガンバローを力強く北総台地にとどろかせた【3月27日 成田市】)
3月27日、三里塚芝山連合空港反対同盟主催の全国総決起集会が開かれ、成田空港暫定滑走路の東にある市東孝雄さんの畑を会場に、快晴のもと全国から840人の労働者・農民・学生・人民が「農地死守・第3誘導路粉砕」の決意を胸に結集した。集会とデモは終始、東日本大震災と原発事故に対する怒りがあふれ、被災地支援と全原発停止を反対同盟の名において全力で訴える決定的な闘いとなった。
反対同盟の萩原富夫さん、宮本麻子さんの司会で正午に集会が始まった。冒頭、「大震災の犠牲者を悼み、被災地支援の決意をこめて」と題する特別プログラムで、参加者一同が黙祷(もくとう)。続いて東北の被災現地からの報告が行われた。学友たちとともに登壇した東北大学全学学生自治会委員長・石田真弓君は、菅政権ではなく学生自身の手で行われている救援活動を伝え、「この東北の地で困難に立ち向かい生き闘い抜く」と決意を表した。続いて塩竈市職労として85年10・20三里塚闘争を口実とした不当な懲戒免職と闘ってきた労働者が「避難所を運営しているのは自治体労働者、教育労働者だ」と労働者の奮闘をつぶさに報告した。さらに放射能被害、風評被害で壊滅的打撃を受けた福島県農民の「事故弾劾・原発廃止」の怒りのメッセージが読み上げられた。
北原鉱治事務局長が反対同盟の声明として「被災者救援・原発即時停止」を訴え、広島、長崎の原爆投下の歴史的事実を踏まえ、核=原発の全面的廃止を怒りを込めてアピールした。
森田恒一さんの開会宣言に続き、萩原進事務局次長が「怒りを爆発させ闘うしかない!」と全身に闘志をみなぎらせて基調報告を行った(要旨別掲)。「@震災と原発事故の責任を徹底的に追及する。被災地支援に全力を挙げよう。A原発は核武装への道だ。反戦反核の闘いとして全原発の停止を。中東人民の闘いに続こう。BTPP(環太平洋パートナーシップ協定)の推進を許さない。TPPは日本農業壊滅だけでなくアジアへの侵略と植民地化の攻撃だ。C大震災で価値観は完全に一変した。全人民に向け『国、政府のやることを信じるな!』と言うべき時だ」と闘いの方針を鋭く指し示した。そして、この期に及んで200億円もの巨費を投じて市東さんを追い出すための第3誘導路を造ろうとする成田空港を根底から断罪し、被災地の闘いと一つになって進む反対同盟の強い信念を表した。
続いて特別報告に立った動労千葉の田中康宏委員長は「大災害の現実は資本主義、市場原理、新自由主義がもたらしたもの。労働者、農民、漁民が生きる手だてを奪われている。闘いは待ったなしだ。労働者と農民が団結してこの情勢に立ち向かい、怒りの声と結びつこう。国労本部の雪崩うつ屈服を許さない。国鉄闘争と大震災との闘いはひとつだ」と訴えた。
さらに特別報告として沖縄・市東さんの土地を守る会、関西実行委の永井満さんと山本善偉さんが発言した。
鈴木謙太郎さんが「TPP絶対反対/農民アピール」を読み上げ、続いて三里塚とともに闘う房総農民の代表が、全国の農家の置かれた苦境を背景に「想定外の闘いを巻き起こそう」と決意を表した。
成田空港会社(NAA)の攻撃と最前面で闘う天神峰の市東孝雄さんは、福島農民の状況に「ひとごとではない」と連帯を表し、農地強奪攻撃に対し「農地は私たちの命。この地でどっしり構え野菜を作っていく」と不動の姿勢を示した。さらに強い口調で「原発は目の前の敵。停止の声を上げよう!」と訴え、大きな拍手に包まれた。
反対同盟顧問弁護団が壇上に並び、葉山岳夫弁護士がNAAの訴訟「一部取り下げ」を闘いの成果として確認し、東京高裁の現闘本部裁判控訴審5月20日判決強行への反撃を呼びかけた。
鈴木加代子さんのカンパアピールでは、この日の会場カンパが義援金として全額被災現地に送られることが明らかにされた。
全学連の織田陽介委員長は、原発の即時停止を求める1千万人署名運動推進の画期的新方針を打ち出した。婦人民主クラブ全国協は、被災地支援の闘いと一体で相模原選挙に勝利する決意を表した。集会の最後に伊藤信晴さんのリードで団結ガンバローを三唱し、反対同盟を先頭にデモに出発した。
デモコースは東峰十字路を右折、小見川県道を進み、数百bもある天神峰トンネルを通る。真上は空港の暫定滑走路だ。トンネルの出口は第3誘導路の橋脚工事の現場で、道の両側に無数の鉄板が立てられている。農民追い出しのために途方もない金額をつぎ込んで続けられる工事に、デモ隊の怒りは倍加した。到着地は市東さん宅南の開拓組合道路。
「被災地の生きるための闘いと一体となって、三里塚は必ず勝利する」というメッセージは、この日全参加者の胸に刻まれた。