『人民の星』 5239号1面

各地で党赤旗開き 党の骨格を再建
山口県中部地区委員会

 日本共産党(左派)山口県中部地区委員会の新年赤旗開きは、「福田思想で山口県の革命的運動再建を」をスローガンにして、一三日午後二時から、山口市の労福協会館四階大会議室でおこなわれた。
 地区委員会を代表してあいさつ(要旨三面掲載)にたった安村直行同志は、情勢の発展と原水爆禁止運動の教訓、党建設の課題をあきらかにし、「米軍再編に反対する岩国市民の斗争を勝利させることは、たんに岩国だけの問題ではなく、日本の独立と平和のきわめて重要な課題」と強調し「二井売国県政の膝元である中部地区から反米愛国の革命的労働運動と各戦線の運動を再建するために勇躍前進しよう」と戦斗的によびかけた。
 乾杯のあと、スピーチや歌でおおいにもりあがり、各戦線の運動再建の決意あふれる場となった。

岩国斗争勝利への決意
 長周新聞山口支局の河村三嗣支局長は「われわれがこの一年奮斗すれば、福田議長の切りひらいた路線にもとづく運動が全国を席巻できるところまできている。一方で、運動内部で個人主義イデオロギーを温存すれば阻害物になる。私心をすて、人民に奉仕する思想を純化させないといけない」とのべ、山口市内の大学や自治体の大衆から、「長周の岩国問題の記事を授業でつかっている」「岩国の市長選挙は勝つのはわかっているが、圧勝しなければいけない」「岩国市民は“安保”をどうするかというところまでまでいかざるをえない」「あんな無様なやめ方をした安倍が、また衆議院選挙にでるというが、山口県の政治家は時代遅れもはなはだしい」と、岩国市民に連帯する世論があふれていることを紹介し、「二井知事が四選をめざして出馬するというが、立候補できないような状況をつくらんといけん」とよびかけた。
 原水爆禁止山口・防府地区実行委員会の活動家は、「まことに痛快な一年でした」と昨年の人民運動の前進をふりかえり、「岩国市民は全国を激励している。敵は陰険狡猾な謀略で岩国市民におそいかかっているが、これをうちやぶる力は反米愛国勢力の奮起にかかっている。ひきつづき岩国斗争に参加して反米、独立、平和の人民運動を発展させたい」と決意をのべた。
 旗開きにはじめて参加した婦人は、「岩国のたたかいは勝利させないといけない。国がやることは地方いじめ。市長選挙の結果が楽しみです。みんなで支援しましょう。二井知事にもやめてもらいたい」とのべた。
 退職教師の婦人は、「昨年の秋に岩国の基地を見学にいったら、日本の旗とアメリカの旗がたっていた。アメリカの旗のほうが大きく見えたが、ここは日本の国。なんでアメリカの旗がたたんといけんのか。アメリカ人はひろい土地に立派な家をたてている。日本人は山の高いところに追いやられている。いったいここはどこの国か」とのべた。
 小学校の婦人教師は、「きのう山近先生を偲ぶ会に参加して、退職教師から叱咤された。退職教師があるいてこられた道を、わたしたちが草ボーボーにしてしまった。しっかりあるいて、道をきれいにしなくてはならない。世の中をかえる子どもをそだてないといけない。年度末人事も、子どもや地域の人から、“いてほしい”と思われるようになりたい。自分がいたいからいたいではいけない。自分や組合のところからの人事斗争だった。私心が一つ一つにあらわれている。そこからなくしていきたい」とのべた。
 原水爆禁止山口・防府地区実行委員会の元労働者は、岩国での宣伝活動のなかで、基地ではたらいていたという婦人が、「錦帯橋の一万人集会にはいきたかったがいけなかった。いまでも米兵とつきあいがあるけど、戦争のためにきているから、兵隊としてのつきあいはやめたい」と語っていたことや、岩国の年配の活動家が、活動の必要から携帯電話をもつようになったことを紹介し、「岩国市民ももえている。日本全体のたたかいになるように奮斗したい」とのべた。
 現役労働者は、「軍隊にいったものを白い目で見るというのは、戦後のアメリカによる支配をかくし、アメリカは正義の味方と教えてきた教育の結果だ。これから、“原爆と戦争展”にも参加していきたい」と決意をのべた。
 山口平和教室事務局の婦人は「岩国斗争に奉仕できる子どもを山口でそだてたい。山近先生を偲ぶ会で、目の前の子どもをどうするかではなく、日本社会をひっくりかえすために子どもをどうするかというように大きなところから考えないといけないことをまなんだ」とのべた。おなじく平和教室でリーダーをつとめる女子中学生は、「下関のリーダーの姿を見て、自分もリーダーとしての自覚をもたないといけないと思った」とのべ、教師たちとともに日本の歌をうたった。
 退職婦人教師は、岩国斗争を発展させるためのカンパ用紙を、本人にカンパしてもらおうと思って婦人たちにおくったら、みんなまわりの人に訴えてあつめており、「岩国だけの問題ではない。山口県全体の問題」「いじめもいいとこ」などの意見がだされたことを報告し、「人人はそう思っていると信じていなかった。人人はアメリカからの独立をもとめ、政治をかえたいとねがっていることに確信をもってとりくみたい」とのべた。
 大学生の運動を追求する活動家は、大学祭で七年間「原爆展」を開催してきて、昨年はじめて学生自身の手による「原爆と戦争展」が実現したことを報告した。学生たちが、ポスターでスタッフを募集したり、当日もポスター、立て看板、プラカードをつくって宣伝した。総括会議もやって「もっとはやくから準備して大規模にやりたい」「六月ごろにやって一、二年生につなげていきたい」と意欲をもっている一方で、その積極性が信用できず、学生との連絡でもたついていたことを暴露した。「長年学生を組織できなかった原因は、自分の学生不信にある。今年は学生を組織するために全力をあげる」と決意をのべた。
 この発言をうけて、他の活動家から、「学生は広島、長崎の“原爆と戦争展”にも参加したいといっていた」と補足意見がだされたり、「われわれが阻止物になったらいけん」という意見がでた。
 劇団はぐるま座の青年たちは、『その日はいつか』の朗読や、『おれたちは歴史をひらく』『クレーンの歌』『地底の歌』『がんばろう』の力強い歌と踊りを披露(ひろう)した。
 最後に全員で『インタナショナル』をうたい、スローガンを唱和して奮斗を誓いあった。


山口県東部地区委員会

 東部地区委員会の新年赤旗開きが一三日、岩国市福祉会館でおこなわれ、労働者、教師、婦人、戦争体験者、劇団員などが参加した。
 東部地区委員会を代表してあいさつをおこなった森脇政保同志は、世界で人民のたたかいが大きく発展し、帝国主義の頭目であるアメリカとそれに追随する各国反動派に重大な打撃をあたえていることをあきらかにしたうえで、岩国市民の米軍再編に反対するたたかいについて、「米日政府は、権力・金力をふりかざして、国、県、岩国の売国反動派を総動員して、気狂いじみた手口で市民におそいかかっているが、岩国市民は積年の怒りを力にかえて声をあげてたちあがり、広島湾岸住民と連帯して、これをむかえうっている」「住民投票、市長選、市議選、県議選と連続して勝利し、昨年暮には一万人集会を成功させた」「基地ではたらく労働者も決起して一六年ぶりのストライキで連帯した」とのべた。
 そして岩国市民の立ち上がりは、「戦中・戦後の苦難と屈辱の歴史的体験に根ざしている」こと、米日政府がさかんに吹聴して市民を抑圧してきた「米軍が日本をまもる」という国防論や「基地との共存共栄」論が事実をとおして暴露されうちやぶられたことにあるとのべた。
 最後に、「米軍再編、基地増強に反対するたたかいは、きたる二月一〇日投開票の岩国市長選を焦点に激化し、するどいたたかいとなっている」「岩国市長選は一地方の市長選だが、全国的な福田売国政府と人民とのあいだの国政を左右する性格をおびた選挙となっている」「売国的な国政をうちまかす力は岩国市民のなかにある」とのべ、そのため東部地区党は「誠心誠意人民に奉仕する思想に徹し、大衆路線をつらぬき激動発展するこんにちの情勢のもとで基地斗争を中心に広範な人民のたたかいの発展のために奮斗する」と決意をのべた。
 乾杯の後、旗開きに出席できない退職教師の米軍再編に反対する反米愛国の思いをつづったメッセージや婦人からの詩が紹介された。
 スピーチでは、市長選を勝利させ、米軍基地反対、売国政治に反対する思いが語られた。
 昨年秋まで岩国に在住していた下関の活動家が、下関の市民運動が目先の利益ではなく三〇万市民の利益にたって安倍・江島市政を追いつめていること、下関市民は岩国市民が米軍再編に反対してがんばっていることに心をうたれているとのべ、山口県の東と西ががんばって、全国的視野、全県的視野にたって運動を発展させようと連帯の決意をのべた。
 年配の婦人は、「みなさんにであえてほんとうによかった」とのべるとともに、移転容認派のさまざまな圧力に屈せずがんばっていくとのべた。
 交通労働者は、市長一人のために政府や自民党がこれだけ必死になるのは、岩国をもっと巨大な基地にしようとたくらんでいるのではないか、と警鐘をならし、鉄鋼労働者は「衆議院でテロ対策法が強行採決されたが、これで日本の将来がどうなるのか、議会はなんのためにあるのかと職場で論議になる」とのべた。
 また小学校教師は、さいきんの学校現場の変化を報告するとともに、「今度の選挙に勝てるかどうか日本のみんなが注目する選挙だと新聞に書いてあった。市長選と衆議院補欠選挙に勝てるようにみなさんといっしょにやっていきたい」とのべた。
 はぐるま座団員や参加者から労働歌などの出し物もあり、最後に『インタナショナル』の合唱であらたな実践にふみだしていく決意をかためた。

沖縄県委員会

 一二日、党沖縄県委員会の新年赤旗びらきが浦添市内でひらかれ、被爆者、戦争体験者、労働者、婦人、教員などが参加した。旗開きでは、原水爆禁止運動を中心に職場や地域で、戦争体験者らのいいつくせぬ思いとむすびついて発展してきた教訓を確認し、人民に奉仕する精神で奮斗する決意をかためあった。
 はじめに県委員会の源河朝陽同志が基調報告をおこなった。そのなかで昨年一年間の活動について、読者などを結集し三月に開催した「情勢学習会」は、時代認識を鮮明にし、悲観的な情勢観をただし、大衆運動への確信をつよめ、社会主義への展望をにぎるものとなったこと、五月の福田議長没五周年記念集会には沖縄からも読者などが多数参加し福田議長の生涯、業績と政治・思想路線に深く感動し「福田路線でいけば勝利できる」との確信をつよめたこと、そして、原水禁運動をこれまでの延長ではなく、もう一段飛躍させる決意にたってとりくみ那覇市や沖縄市などで開催した「原爆と戦争展」はこれまでにない反響があり多くの教訓を得たことを報告した。
 とくに「原爆と戦争展」は、防衛相・久間が「原爆投下はしょうがなかった」と発言して三日で辞任に追いこまれるなど、「原爆と戦争」をめぐる敵味方のイデオロギー斗争が一段と激化するなかでとりくまれ、安倍内閣の戦争政治に怒りをつのらせている被爆者をはじめ従軍学徒隊や鉄血勤皇隊の生存者など戦争体験者のつよい賛意を得て大衆的なひろがりをもった運動としてとりくまれたと強調した。そして、「戦争終結のためには原爆も沖縄戦も必要なかった」「アメリカの戦争目的は、日本の単独占領と戦後のアジア支配のためであった」という歴史的真実が衝撃をもってうけとめられたこと、戦争体験者の歴史的な体験を真摯にまなぶ活動が発展したこと、敵が「日本軍悪玉」論を大大的に宣伝し社民・修正主義、知識人らをまきこんで沖縄戦の真実を歪曲する策動がつよめられたなかで「原爆と戦争展」の開催そのものがするどいイデオロギー斗争であったことを強調した。
 また、サービス産業の職場では、婦人たちの労働、生活、切実な要求を調査し職場新聞を定期的に発行して、劣悪な労働条件・無権利のなかでたくましく生きる婦人たちの力にまなぶ活動がすすみはじめたこと、大衆路線を堅持して婦人の解放をめざした力を発展させることや、公立幼稚園の職場では臨時教員の低賃金、無権利、教職員の多忙化問題について組織的な宣伝活動が開始され、人民教育路線にたち、臨時、本務、勤労父母が連帯した大衆的な運動に発展させる活動がはじまっていると報告した。
 最後に、転換点にある情勢のなかで、人民に奉仕する思想に徹して人民解放事業の飛躍にむけて奮斗すると決意をのべた。
 乾杯の後、各参加者から活発に決意や意見が語られた。
 沖縄原爆展を成功させる会の比嘉幸子代表は、「いままでは原爆が主だったが昨年は一五年戦争の真実が展示され参観者が一生懸命にパネルを読み、つよい反響があった。日ごろは日常的なことに目をうばわれがちだが、沖縄の過去はどうだったか、将来はどうなるのかということを考えるいい機会になった。戦争体験というのは大きな財産であり体験したものが後世に伝えることは義務だと思う。アメリカはベトナムの人人になんの償いもしていないし、被爆したわたしたちにもなんの償いもせず日本政府が肩代わりしている現実がある。ますますこの活動が必要でがんばりましょう」とあいさつした。
 沖縄市の被爆婦人も「被爆体験をはなした子どもから年賀状がとどいた。地域で子どもたちに話していきたい」と語った。
 人民教育同盟の教師は「昨年の“原爆と戦争展”ではこの活動をやることの意義を実感した。真実を知ったら自信をもってまわりの人に信念をもって伝えられる」と確信したと語った。べつの婦人教師も「共働きが多いなか、子どもたちが親を尊敬し、祖父母の思いをうけとめ平和をねがう子どもたちをそだてようと、幼稚園生をつれて“原爆と戦争展”に参加した。地域の老人たちとも連携して子どもをそだてていくのが教育だ」とつかめてきたことを語った。
 公立幼稚園の臨時教員の劣悪な賃金や労働条件を改善させようと運動がはじまったことでは、「バラバラだった仲間があつまり一つになって目の前の現実を見つめ多くの人の意見をたばねる運動をおこしていく展望が見えてきた」(青年教師)と報告された。
 日本民主婦人同盟の婦人は、「久間大臣は、原爆投下は仕方がなかったと公言し三日で辞任したが、戦後ずっと日本を支配してきた論点をひっくりかえした。そういう運動に貢献できたのは福田路線を合言葉にやってきた成果だと思う。職場でも知っているつもりという考えをかえて婦人の座談会をひらいたが、はたらいても評価されない社会への怒りとそれにめげない婦人たちのたくましさを共有することができた」とのべた。
 最後に、戦争体験者が「昨日も自民党はテロ支援特措法を強行成立させたが、アメリカのためで人民のためではまったくない。カネで差がついて当然というような政治をかえさせるために胸をはり堂堂とみんなが力を発揮して今年もがんばっていこう」と力づよく訴えた。
 全員で『インタナショナル』を合唱して閉会した。