仙台大“留学”の奥埜が入団内定…仙台

会見でシュートのポーズを披露する仙台大・奥埜

　仙台大サッカー部ＦＷ奥埜博亮（２１）の来季ベガルタ仙台への新加入が内定、７日に宮城県柴田郡の仙台大で会見が行われた。奥埜は仙台の下部組織から大学を経てトップに舞い戻る初の選手で、入団内定第１号となった。

　「ベガルタはずっと自分のプレーを見続けてくれてうれしく思う」。こう話した奥埜本人以上に周囲がこの日を喜んだ。会見に同席した仙台大の吉井秀邦監督（３８）は感無量の面持ち。「この土地の育成の勝利。ベガルタのみならず仙台の宝として育ってくれた」

　ベガルタと仙台大は０３年から提携関係を締結。仙台ユース出身者を受け入れ続けた努力が９年の歳月を経て花開いた。ベガルタの白幡洋一社長（６７）も、「一つの成果がでた。記念すべき日です」と待望の地元育ちの選手獲得に笑顔を浮かべた。

　奥埜はベガルタとの関係を密にしていた。２００９年から３年間、サッカー部に在籍しながらＪリーグに出場できる特別指定選手として登録。昨年４月１４日のナビスコ杯・京都戦ではベガルタの一員として出場した。日本代表ＭＦ関口からは、「ミスしても思い切りやれ」と薫陶も受けた。

　目標の選手はチームの先輩をたたえ「梁さん、関口さん」。空気を読みながらも本心は別。「（英国代表ＦＷの）ルーニーのように点を取るだけでなくゲームも作れる選手が理想」とマルチな才能をアピールすることも忘れなかった。

　◆奥埜　博亮（おくの・ひろあき）１９８９年８月１４日、大阪府生まれ。２１歳。東京・松ケ丘小２年で「バディＳＣ」に入団。小５で仙台・東宮城野小に転校。ベガルタジュニアユース、ユース時代はＵ―１６日本代表入り。仙台大でも昨年、今年と全日本大学選抜入り。１７１センチ、６１キロ。足のサイズは２６・５センチ。血液型はＯ。