cover page / site navigator / hideaway

エッセイ - コラム - 雑文集 覆面同盟オフィシャルサイト
エッセイ - コラム - 雑文集 覆面同盟 ロゴマーク
お引越し的キャンプ
 
 
キャンプ場には立派な車が並んでいる。

4WD系やワンボックス系の高そうに見える大きな車が多い。

そりゃ、アウトドアだ。荷物を沢山積まなければならないから車も自然とそれ風になるのだろう。それにそれ風の雰囲気のある車に乗りたい気持ちも分かる。

自分がちょっと前まで乗っていたのはカローラFXという車で、ホンダ・シビックを少しばかり大きくした程度の車だった。街中で乗るには手頃な大きさだったが、嫁さんとチビを連れて3人でキャンプに行くにはちょっと小さかった。だからキャンプ道具の選択はこの車に乗せることが出来るかどうかが大きなポイントとなった。

後ろの収納スペースから溢れ出て、バックミラーが良く見えないような積み方はイヤだ。それに車の上に荷物を積むのもイヤだからルーフボックスも無い。

そうなると色々な圧縮・縮小作戦を重ねて、装備をダウンサイジングし、必要最低限のものを選択するしかない。

ツーパーナーは確かに便利だが大きすぎるのでシングルバーナーを使う。食器類もスタッキングの良し悪しで選ぶ。炭は必要な量だけ運ぶ。ウイスキーは推定飲酒量のみ(往々にしてその量を間違えるが)小さなポリ・ボトルに移して運ぶ。醤油や油、酢も同じように小さなポリ・ボトルに分けて運ぶ




少し不便



大きなワンボックス系の車のバックドアが開くと、まるでドラえもんのポケットみたいに、次ぎから次ぎへと色々なキャンプ道具が溢れ出てくるのを見ることがある。タープやテントみたいに基本的なもの以外に、例えば虫が入らないようにする蚊帳みたいなタープスクリーンが出てくる。ツーバーナーかキッチン・テーブルの横にセットするような立派な“ゴミ箱”まで出てくる。

なんでもかんでも運んで来れたら確かに便利だろう。しかし 『おいおい、そこまで持ってくるか!?』 と言いたくなるようなもの、例えば電気炊飯器、まで持ってくる人もいる。最近はサイトにAV電源まで用意しているキャンプ場も多いので、こんな電気機器をキャンプ場で見ることも多くなるだろう。

家での便利な生活を殆どそのままキャンプ場へ移動させることがアウトドアではないはずだ。ここからあそこへの“お引越し”では日常生活の延長でしかない。家では味わえない“不便な生活を楽しむ”のがキャンプの楽しさの一つではないだろうか。

便利だがストレスの多い社会から少し離れて、不便さの中で自分の五感や体力を使うことに楽しさを感じてみよう。



2002/08
 
/ back to hideaway