(CNN) オーストラリア中部の砂漠地帯に100万頭以上生息するラクダのおならが地球温暖化の一因になっているとして、同国の起業家が野生化したラクダを全滅させて温暖化ガスの排出削減を目指す計画を提案した。
政府が農業分野の温暖化ガス排出削減策を模索する中、起業家ティム・ムーア氏が打ち出したのは、メタンガスを排出するラクダをすべて「駆除」して空気をきれいにするという提案。「野生化した動物(ラクダ)は人道的な方法で死なせる」とし、具体的にはヘリコプターや四駆車からラクダを射殺し、死んだラクダは解体して人間やペットの食用にするとした。
デイリーメール紙は、温暖化対策担当の政府当局者がこの提案を検討する意向を示したと伝えている。ムーア氏は同紙に対し、「わが国は革新の国であり、課題に対して革新的な解決策を見出す。これはその典型だ」とコメントした。
この計画について環境保護団体や動物愛護団体の意見はまちまちだが、菜食主義者からは、畜産農場の方がはるかに問題は大きいとの声も出ている。
オーストラリアのヒトコブラクダは19世紀にインドやパキスタン、アフガニスタンから持ち込まれた。当時は道路や鉄道の建設作業に重宝されたが、現在では野生化して牧草を荒らしたり固有種を脅かしたりする害獣とみなされることが多い。