裁判傍聴と言えばこの人をおいて他にいない。阿曽山大噴火、本業である芸人と並行して、通算10,000回以上の裁判を傍聴してきた、筋金入りの裁判ウォッチャーだ。今回、そんな阿曽山大噴火氏の膨大な記録の中から、性犯罪に関する裁判傍聴記録をいくつか公開していただいた。誰もが傍聴可能でありながら意外と聞けない裁判の話。しかも性犯罪である。今後もし捕まった時の為にも読んでおいて損は無い。ではでは、阿曽山大噴火氏の今後の展望も含めて、裁判記録を楽しんでもらいたい。何たって明日は我が身ですから…。
文：藤森洋介 写真：フク田シンヤ
―阿曽山大噴火さんといえば、やはり裁判傍聴というイメージが定着されていると思うんですが、そもそも始めたきっかけはどういった事からなんですか？
阿曽山大噴火（以下：阿曽山） きっかけは、大川興業の総裁が週刊プレイボーイで連載を持ってまして、毎週政治について書いていたんです。それでオウム真理教の松本智津夫被告人の裁判を取り上げる事になったんですけど、裁判の傍聴は抽選で、新人が並ばされたんですよ。そしたら、多めに当たったんで、僕も行くことになって。それが初めてでした。
―ご自身で率先されて行った訳ではなかったんですね。でもそれならどうして定期的に行くようになったんですか？
阿曽山
人生最初で最後の裁判所だと思うじゃないですか。で、午前中、松本智津夫の裁判を見て帰ろうかなと思ってたら、一緒に並んでた人が、他も見に行くと。俺のイメージではニュースで麻原被告の裁判がありましたって言ったら、東京地裁でそれ一件しかやってないものとばかり思ってたら、一日100件以上やってるんですよ。民事なんかも500～600くらいやってると。しかも傍聴券もいらない。必ず必要なイメージがあったんですけど。何も知らなかったんですよ。それで、午後も行ってみようかなと。で、法律のほの字も知らないのに行ってみたら、なんだ、理解出来るんだなと思って。それでちょこちょこ行くようになりましたね。
―なるほど。ではその中で、性犯罪の裁判で面白かったのをいくつか紹介していただきたいんですが。
阿曽山
わかりました。
【解説】
阿曽山 何でこういう事件にまで至ったかというと、被告人が仕事を終えて居酒屋でお酒を飲んで、車で帰ったらしいんですよ。もうその時点で飲酒運転なんですけどね（笑）。で、被告人には家族がいるんですけど、家族の元に帰らず愛人の元に帰るんですよ。それで、愛人宅に行くんですが、行く途中にエントランスに倒れている女性がいて。具合が悪いのかと思って、介抱してあげて、ここだとアレだからって、階段の踊り場に連れていって、介抱してるうちにそういう事になって。
―それは意図して階段の踊り場に連れていったんですかね？
阿曽山
まあどこからその気になったのかは分からないですけどね。
―じゃあその女性から訴えられてと。
阿曽山
そうなんです。それで面白いのがこの被害者に取り調べをするんですが、ちょうど1年前に、全然見知らぬ車が寄ってきて「奥さん、一緒にダブル不倫しませんか？」って言ってきた男と今回の被告人が同一人物だったっていう。偶然か何だか分からないですけど。
―絶対狙ってますよね（笑）。
阿曽山
でもそのマンションに愛人が住んでるわけだから、いつばったり会うか分からないですからね。しかもこの被害者が言うには本当に具合が悪くて、本当にいい人が助けてくれたと思ったら、そういう事になったと。もちろん拒否したらしいんだけど、そうしたらその被告人が「俺はこのマンションの管理人だ」って言って、一万円札の札束を見せたらしくて。全く意味が分からない（笑）。この人が被告人質問で言ってたのはデートに行こうと誘ってるわけだから、俺は金あるよっていうのをアピールしたかったらしいんですよ。
―絶対嘘ですよね（笑）。
阿曽山
とにかく突っ込みどころは満載ですよ。飲酒運転してるし、愛人の所に行ってるし、愛人の所に向かってる途中に違う女に手を出しちゃってるし。それで裁判官が最後に「あなたは今回こういう事件を犯して、心に決めた事はなんですか？」って聞いたら、被告人が「酒を飲んだら運転しません」って。
―あぁ、そっちか（笑）。
阿曽山 裁判官も「いや、それも大事なんだけど、そういう事じゃないでしょ？」って。そしたら被告人が「妻に隠し事はしません…」って。何かこの言葉に全てダメさが伝わってきますよね。
【解説】
阿曽山 これが一体何なのかっていうと、一人暮らしの女性の名前が書いてある集合住宅のポストから手紙を取って、「下の階のものですけど、間違ってうちのポストに入ってましたよ」って届けに行ったらしんですよ。女性もありがとうございますって受け取りますよね。そしたら、なぜか被告人が「まあせっかくなんで中で話しましょう」って家に入ろうとして。女性も「ちょっと何やってるんですか」って押し問答になって、怖くなって110番して捕まったと。
―無茶苦茶な男ですね（笑）。
阿曽山 で、取り調べの中で、奥さんはいるんだけど、セックスの回数も減って欲求不満だったと。出会い系サイトも利用したけど多額の請求が来そう怖くてそれもやめたと。それなら浮気相手を探そうっていうのが動機だったらしいんですよ。それでこういうやりとりがあって。
弁護人「取り調べでも答えてますけど、なんでこんな事やるの？」
被告人「浮気相手が欲しかったんです…」
弁護人「知らない人に、郵便物を届けただけでお付き合いできると思いますか？」
被告人「冷静に考えれば無理だと思います」
弁護人「でしょ！」
阿曽山 「でしょ！」って（笑）。その時はどうかしてたんですよっていうのをアピールしたかったみたいで。で、検察官が事件の事を聞いた後に、「あんた、愛人を探してたって言ってたけど、自分に自信があったんですか？」と。それは本当は愛人を捜してたんじゃなくて強姦をしようとしてた疑いもある訳だから。
―なるほど。そういうのはあるかもしれないですからね。
阿曽山 そうしたら被告人は「それはないです、本当に愛人が欲しかったんです」って。それで最後に裁判官が「あなた、この方法じゃ愛人探せないでしょ」って（笑）。
―方法に問題があったわけなんですね（笑）。
阿曽山 その話をしてる間もずっと奥さんはそこにいるわけですからね。
―それは辛いですね。奥さんの前で愛人って言葉が飛び交ってますから。何だか裁判って、辱められますね（笑）。
【解説】
阿曽山 この被害者の女性は非常に強い人で、触られた瞬間にクルッと振り返って「オッサン、何触っとんねん！」って関西弁で捲し立てて、そのまま被告人を引っ張って、駅員に渡したそうなんです。被告人も何とか助かろうとして「これで示談にしてください」って1万円出してたそうでなんですけど応じてもらえなくて。
―1万円ってなんかセコいですね。
阿曽山 で、被告人も罪を認めてるんですが、前科二犯で、しかもそれも痴漢で捕まってるんですよ。それで法廷にお姉さんが情状証人として来たんです。裁判官から「またやってしまいましたよ、お姉さんとしてどう思いますか」と聞かれて、本来ならこんな事をやってますけど普段はいい奴なんですっていうのが普通なんです。だって、それで刑罰を軽くしてもらうとか執行猶予をつけてもらう為だから。それなのにお姉さんは「痴漢は人間のクズです」って、まるで被害者代表ですよ（笑）。
―弟に対して厳しいですね（笑）。
阿曽山 弁護人も「まぁまぁ、面会の時も弟さんはもう二度とやらないと私に誓ってくれました、そうは言っても過去もありますし、信用できないっていうのもあると思いますが、もう一度電車内で万が一痴漢をしてしまったら今後どうしますか？」って聞いたら、お姉さんが「次やったら、電車のないとこに島流しにします、そこで一緒に暮らします」と（笑）。
―いい事言いますね。
阿曽山 電車のない所に行けばいいという。そこが根本じゃない気はしますけど、まあそれも１つの手ですよね。「弟さんがお隣にいますけど、何か言いたい事はありますか？」って聞かれて、お姉さんが「あんたね、皆、汗水垂らして税金を払ってるのよ、その間あんたは拘置所に入って、人の税金で飯を食ってるのが許せないのよ！」って、怒ってるのは痴漢じゃないんですよ（笑）。でもやっぱりお姉さんなんで、優しいんですよ。被告人は前回の痴漢で離婚をしてまして「あんたは反省をする為に、刑務所に行きなさい」と。執行猶予をつけてくれじゃないんです。「刑務所に行ってる間の養育費は私が立て替えておくから」と。優しさですよね。
―いいお姉さんですね。
阿曽山 被告人はどよんとしちゃって。本当は助けて下さい的な事を裁判官にお願いするのに、まさか刑務所に行けと言われるとは思ってもなかったみたいで。もちろん証人尋問なんで、被告人は喋っちゃいけないから下を向いてたら、お姉さんが「返事がないぞ～」って（笑）。それだけで、兄弟の関係性がみえますよね。で、お姉さんの質問はそこで終わる。で、裁判官が最後に「お姉さん怖い？」って（笑）。被害者といい、お姉さんといい強い女性に囲まれた被告人ですね。
―裁判官ってそんなラフな質問するんですね。
【解説】
阿曽山 これは被告人質問が面白かったですね。
検察官「何故コインランドリーに入ったんですか？」
被告人「外で吸うと条例違反になるので、中で吸おうと思って入りました」
検察官「じゃあ何故下着を取ったんですか？」
被告人「自分の好きな色がピンクなんですけど、パッと見たらピンクの下着が回ってたんで取っちゃいました」
阿曽山 答えになってない気もするんですけどピンクが好きだと（笑）。
―パンツじゃないんですね。色なんですね（笑）。
阿曽山 実際そういう窃盗とかって、繰り返しちゃうものなんですけど、被告人は過去にはそういう事はない。今回初めての下着ドロボウだし、そういった性癖ではなく、出来心でやってしまったんだと弁護人は言う訳です。で、検察官が「あなたの自宅を家宅捜索したら女性の下着が出てきましたよ、同棲してる訳でもないのに何故ですか？」って聞くと「実は好きなゲームが欲しくてガチャガチャをやったんです、そしたら下着が出てきて」って答えて（笑）。
―田舎のドンキとかにありますよね。ハズレが下着みたな。
阿曽山 それが一着あったんです。それで検察官が「そんなの捨てればいいじゃないですか」って。
―まぁもっともな事言ってますね（笑）。
阿曽山 そしたら被告人が「自分でお金出したんで勿体なくて捨てられません」と。で、「じゃあ今後再犯しない為にどういう事を気をつけたらいいと思いますか？」って聞いたら「もうそういうコインランドリーみたいな所には行きません。もし行ったとしても同じ事は二度とやりません、あと、ガチャガチャで当たっても捨てます」って（笑）。ハズレじゃないのかって。お前にとってはアタリなのかっていう（笑）。
【解説】
阿曽山 これが何かというと、被告人は被害に遭った家の隣のアパートに住んでいて、盗みに行く半年前から風呂場を覗いてたらしいんですよ。娘さんか奥さんかは分からないですけど、風呂場を半年も覗かれてたわけで、そうしてるうちに覗いてる人の物が欲しくなって、靴を盗んだと。
―下着じゃないんですね。
阿曽山 下着ドロボウのちょっと変形バージョンですね。事件もちょっと変わってるんだけど、この事件で一番変わってるのは弁護士で。おじいちゃんだったんですけど、質問をしなきゃいけないんですよ。反省してますか？ とか、被害者に対してどういう気持ちですか？ とか。そこをおじいちゃん弁護士が「6年前にお母さんが亡くなってね、寂しかったんでしょうね、そのやるせない気持ちがどうしようもなくなって、覗きなんかやっちゃたと思うんだよね」って。
―人情弁護士みたいですね（笑）。
阿曽山 「今ね、あなた警備会社で働いてますから、ここで実刑判決を受けるとクビになっちゃうと思うんだよね、困るよね」ってずっと自分の意見ばかり言ってるんですよ。で、突然「そうでしょ？」って（笑）。何に対してのそうでしょか分からないけど、被告人も困って「まぁ…」みたいになって。それで弁護人がまた「それはさておき、あなたタバコを１日30本吸ってたじゃなですか、でも今は禁煙したそうですね」と、突然タバコの話になって。そうしたら被告人が「いや、禁煙は昨日からなんです…、そんなに大袈裟に言わないで下さい」って（笑）。その答えが聞こえてないのかおじいちゃん弁護士が「なるほど、あなたは意思を強く持ってらっしゃるから、今後も覗きはやらないってことですね」って。どんな話だよと（笑）。被告人も否定する事じゃないから「まぁ…」ってなって。で、おじいちゃん弁護士が「あなたは今51歳ということですけど、諦めずに結婚して身を固めて下さいよ」と、全く事件と関係ない事で締めくくって。
―もう完全に笑わせにいってますよね（笑）。
阿曽山 で、手元にいっぱい資料があるんですけど、おじいちゃん弁護士が「あなたの今までの経歴を見るとね……、あっ！」って。今までフニャフニャしてたおじいちゃんがシャキっとするんで、みんな何だろう？って身を乗り出したら、「……質問終わります」と。
―えっ？ 続きはないんですか？
阿曽山 謎のままなんです。それで、裁判官が「続いて弁論をお願いします」と。弁論とは執行猶予をお願いしますっていう所なんです。これくらいの事件で被告人が罪を認めてる場合は大体A4の紙2枚くらいで2～3分で終わるんですけど、そのおじいちゃん弁護士が立ち上がって紙5～6枚持って、やる気満々で「執行猶予お願いします」と。それ以外何にも言わないんです。裁判官も「手に持ってるの弁論用紙なんじゃないですか？」って聞くと。おじいちゃん弁護士が「これまだ出来上がってないんです」って（笑）。
―グダグダじゃないですか（笑）。そんなんでいいんですか？
阿曽山 今日間に合わせなきゃいけないのに。で、裁判官もこのおじいちゃんダメだなって。最終的に執行猶予をお願いしますっていうのは分かってる訳じゃないですか。だから「途中まで読んだらどうですか？」って裁判官が聞くと「いやいや、大した内容じゃないから」って（笑）。
―遠慮しちゃったんですね（笑）。
【解説】
阿曽山 これも検察官と被告人のやり取りが面白くて。
被告人「もう二度とやりません」
検察官「あなた公然猥褻に器物損壊をやったわけですけど、痴漢の前科がありますね、先ほど二度とやりませんって言ってたけど、痴漢の前科が二犯あるんですよ、種類こそ違いますが性犯罪をまた起こしましたね、やっちゃいけないと思わなかったんですか？」
被告人「前回の判決の後も反省したんです、電車にも乗るまいと決めてたんですが、どうしても乗らなきゃいけない時は、女性に近づかないようにしてました、それで、今回はどうしても乗らなきゃいけなくて、電車が混んでて目の前に女性がいて、触っちゃいけないって思ってたら出しちゃいました」
検察官「出すのもダメでしょ」
阿曽山 ダブルミーニング（笑）。検察官も冷静に「出すのもダメでしょ」って。裁判官が「あなたは痴漢の前科があるという事ですけど、電車の中で女性に触るのと、チ○チン出すのどっちが気持ちいいの？」って聞いて。どんな二択なんでしょうね（笑）。今まで40～50分裁判を聞いてみんな『陰茎』で通してきたのに、裁判官がチ○チンって言っちゃって。被告人もまさかそんな質問くるとは思ってなかったみたいで「いやぁ、どっちも気持ちよくないです…」って答えたら、裁判官が「だったらやるなよ」って。で、こういう歪んだ性癖の事件に対して、彼女がいるのかとか、奥さんいるのか、夜の生活はどうなのかっていう話を聞く事があって、この裁判官も同じように「彼女いますか？」と聞いたんですが、被告人が「います」と答えると、裁判官が「え～、いるの!?」って（笑）。
―疑ってるんですか（笑）？
阿曽山 それで「誰？ 誰？」って。名前言ったとこで分からないのに。修学旅行ノリですよ（笑）。で、被告人はスナックで働いてる女性だと職業で答えるんですよ。まぁそれでいいじゃないですか。そしたら裁判官が「その人と食事に行ったりしてるの？」って、また全く事件とも関係ない話してて。興味津々なんですよ。
―それがわかって何かあるんですかね。
阿曽山 で、一応聞かれたんで被告人も「食事に行くというよりは、彼女の働いてるお店で一緒に食事をするくらいですかね」と。それってよくよく聞いてると彼氏彼女じゃなくて、完全にホステスと客じゃないですか。
―本当ですね。
阿曽山 さっきまで興味津々だった裁判官が「あっ…、質問終わります」って締めちゃって。
―もういいやってなったんでしょうね（笑）。
阿曽山 もっと聞く事あるだろって（笑）。
―今まで多くの性犯罪の裁判を傍聴されたと思うんですけど、性犯罪者の気持ちがわかる事件ってありました？
阿曽山 そんなのほとんど分かりますよ。例えば、男が女のケツを触りたいっていうのは普通じゃないですか？
―確かに（笑）。痴漢とかならみんな男達は理性で耐えてるだけですからね。ちなみに今と昔で性犯罪での変化ってありますか？
阿曽山 事件じゃなくて、起訴なんですけど、強姦致傷が減ったかなというのが感覚的に感じますね。強姦致傷になると裁判員裁判になるんですよ。準備が大変になるので、強姦と傷害を分けて起訴するのが増えた気がします。そうすると裁判員裁判にならなくて済むから。
―そんな事件を分ける事って出来るもんなんですね。
阿曽山 色々大変じゃないですか。裁判も普通と違ってモニター使ったり、一般人も呼ぶ訳ですから手続きも大変だったり。それよりは裁判員の対象じゃない、強姦と傷害で起訴した方がね。
―やりやすいように？
阿曽山 やりやすいというと語弊がありますけどね。準備が面倒なだけじゃなくて、強姦になると、被害者のプライバシーが出てきたりで本当に面倒臭いんですよ。
―なるほど。じゃあ犯罪自体が減ってるというよりは、強姦致傷を扱う裁判が減ってるということですね。それと、性犯罪から事件から今の世相とか見えてきたりします？ 例えばネットや携帯を使って出会い系で事件に発展とかって今よくある話じゃないですか。
阿曽山 って言っても俺が傍聴し始めた頃から、出会い系とかはあったからね。
―売春とかも？
阿曽山 援助交際とか未成年の事件とかもありましたね。裏DVDもVHSがDVDになったくらいで。
―まぁこの10年に関しては特に大きな変化は感じられないと。
阿曽山 性犯罪評論家じゃないからね（笑）。
―最後の質問ですが、今後も傍聴は続けられるんですか？
阿曽山 仕事ですからね。仕事が無くなればやりませんよ（笑）。
―もう楽しいというのはないんですか？
阿曽山 全くないですね。
―（笑）。ぶっちゃけましたね。
阿曽山 仕事ありきですよ。
―ネタを拾いにいくって感じなんですね。
阿曽山 裁判傍聴って面白いですねとか言われますけど、羨ましいなと（笑）。何年も前から聞いてもう飽きてますよ。
―人が普段隠してるのが見れるっていのはどうですか？
阿曽山 そういう面白さはずっとありますよ。ただ、同じ物を毎日何時間も見てたら。で、ちょっと変わった物があればネタになるなくらいにしか思わないし。
―その中で僕らはすっごい面白い傍聴ネタを聞かせてもらったって事なんですね。ありがたいです。芸人として裁判傍聴の仕事がなくても喰えるようになれば趣味程度な感じですか？
阿曽山 そうでしょうね。
―勝手なイメージですけど、趣味と実益を兼ねたものだと思ってたんですが…、そうでもないんですか？
阿曽山 毎日は無理でしょ。毎日来てる人もいますけど、ほとんどがライターさんですね。
―そんなもんなんですね。まぁ、それでも今後も楽しみにさせていただきます。
阿曽山 ありがとうございます。
PROFILE
阿曽山大噴火（あそざんだいふんか）
大川興業に所属する芸人。芸人ながら通算10,000回に上る裁判傍聴により、裁判ウォッチャーの異名をもつ。
阿曽山大噴火のつれづれ裁判日記
http://blog.livedoor.jp/asozansaibanin/