［国際］ロシアと来年５月までの合意目指す　欧州ＭＤでＮＡＴＯ（2011.6.9 10:31）

　北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）のラスムセン事務総長は８日、ロシアとＮＡＴＯが検討しているミサイル防衛（ＭＤ）について、来年５月のＮＡＴＯ首脳会議までにロシアとの合意達成を目指す方針を表明した。国防相級で同日開かれたＮＡＴＯロシア理事会後の記者会見で述べた。

　事務総長は、対立が解けなかったことを認めながらも、テロやミサイル攻撃など「現代の脅威にＮＡＴＯと協力して立ち向かう方がロシアの利益にかなっている」と指摘。今後１年間でロシアと多分野での協力関係を強化しながら、ＭＤについて政治決着を目指す意欲を示した。

　欧州ＭＤをめぐっては、ＮＡＴＯはイランのミサイルに対処するのが狙いと説明している。ロシア側は自国の核抑止力が弱体化すると警戒し「単一ＭＤの共同運用」や、ＭＤがロシアを標的としないとの「法的保証」を求めている。（共同）