2011年6月10日22時1分
北海道・奥尻島の奥尻空港付近で4日、北海道エアシステム(HAC)のプロペラ機(乗客乗員13人)が、着陸をやり直そうとした際、急降下して地表から約30メートルに異常接近するトラブルが起きていたことが分かった。国土交通省が10日発表した。
機長が機体の急降下を認識できていなかったとみられ、運輸安全委員会は11日、現地に調査官を派遣して調査を始める。また同省は、同社が重大なトラブルとして報告していなかった点も問題視しており、同社への立ち入り検査を検討している。
トラブルがあったのは函館発奥尻行きのHAC2891便(サーブ340B型、36席)。同省によると、同機は4日午前11時25分ごろ、奥尻空港への着陸態勢に入ったが、悪天候で視界がきかないため、機長は滑走路の約1.5キロ手前(高度約180メートル)で着陸やり直しを判断。高度を上げる必要があったが、約1分後の同26分ごろ、対地接近警報装置(GPWS)が作動、機長は機体を急上昇させて危険を回避した。