菅直人首相は10日午後の参院予算委員会で、3月12日に福島第1原発1号機で放射性物質を含む気体を原子炉から抜くベントを行った際、原発から10キロ圏の住民の避難が完了したかどうかを確認せずに政府として実施に踏み切ったことを明らかにした。自民党の丸川珠代氏が避難完了を確認していたかをただしたのに答えた。
首相は「原子炉格納容器が壊れれば、ベントとは比較にならない大量の放射能を放出する危険性がある。避難指示から時間はあり、避難はかなりできていたはずだ」と述べ、より大きな被害を避けるための見切り発車だったと認めた。経済産業省原子力安全・保安院の寺坂信昭院長も「避難完了の時間は確認できていない」と述べた。
[時事通信社]