阪神電気鉄道の藤原崇起社長(59)は毎日新聞のインタビューで「一部区間で各駅停車になっている快速急行の運行状況を改善したい」と述べ、ダイヤを見直す方針を明らかにした。2年後の定期的なダイヤ見直しに合わせて停車駅を減らし、名実ともに「快速急行」とする。近畿日本鉄道が運行する大阪難波駅(大阪市)と三重県の伊勢志摩方面を結ぶ特急電車の乗り入れについて「まず修学旅行の臨時列車を検討する」と述べ、需要調査を始める方針を示した。
快速急行は、大阪難波駅と尼崎駅(兵庫県尼崎市)を結ぶ「阪神なんば線」の区間で平日の朝夕ラッシュ時と休日を除く時間帯は各駅停車で運行。利用客から不満の声が上がっている。藤原社長は「この時間帯は車両点検に充てているため、使える車両の余裕がなかったが、やり繰りできるよう工夫する」と、改善の意向を示した。
また大阪難波駅と三重県の伊勢志摩方面を結ぶ特急電車の阪神線への乗り入れについて「ダイヤが過密のため通常運行での乗り入れは難しいが、臨時列車を念頭に近鉄と需要調査を始める」と述べ、実現に前向きに取り組んでいることを明らかにした。【植田憲尚】
毎日新聞 2011年6月9日 大阪朝刊