松山市発注工事「裏金」捻出疑惑で、稲葉輝二副市長(74)は9日、裏金づくりを記者会見で証言した孫請け会社「エー・エス・ケー機工」社長(56)に対し「私の実名を挙げ、名誉を傷付けた」などとして「文書で厳重な抗議をした」とする文書を報道機関宛てに出した。
社長は6日に県庁記者クラブで会見し、稲葉副市長や元職員の実名を挙げて「工事代金から裏金をつくって(元職員に)手渡した。政治資金として(当時助役の)稲葉副市長に渡すと聞いた」などと発言。一部の報道機関が実名報道した。一方、副市長は報道陣に対し金銭授受などについて強く否定した。
文書は副市長と代理人弁護士との連名で「社長の発言内容については全くの事実無根であり、市政に極めて大きな混乱を与えたばかりか、私個人の実名を挙げ、私の名誉を大いに傷付けた」としている。