(CNN) 米原子力規制委員会(NRC)は、11日に発表した安全性に関する報告書の中で、米国内の原子力発電所に対し、2カ月前に発生した東日本大震災のような「大規模な災害」への緊急対策を早急にまとめるよう求めた。NRCがこうした公示を発表するのは2007年以来のことだ。
公示は米国の原子力発電所に対し、福島第一原子力発電所で発生したような大事故を防止するための機器を「配置済みで使用可能な状態にある」かどうかを6月10日までに確認するよう求めている。また、7月11日を期限として、所長が宣誓の上で内容を保証した詳細な計画書の提出を求める。NRCは今回の措置について、対応策の重要性を改めて業界に示すのが目的と説明している。
また東日本大震災後、全米104カ所の原子力発電所に常駐するNRCの検査員らが各発電所の大規模災害への対応能力を調査したところ、いくつかの欠陥が発見されたことも今回報告書を出した理由の1つだという。
NRCは、3月にも原子力発電所の所長らに対し、福島第一原発事故を分析し、同様の事故への対応策を講じるよう求めていた。NRCの報道官によると、東日本大震災以前に行った検査では、事故対応機器が本来置かれるべき場所に配置されていなかったケースや、機器が他の目的に使用されていたケースがあったという。
原子力発電事業者らで構成する米国原子力エネルギー協会(NEI)によると、NRCの指示に沿って現場の再検査を行い、緊急対応策の提出に向けた準備は「順調に進んでいる」という。